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■ 2016/02/27 (土)  片道勇者開発記 8 ■
【片道勇者 開発記 8】

今週は確定申告のために走り回ってたり、
開発記3章の挿絵をいろいろ描いていたりで、
進捗としては前回からあまり変化はありません。

【挿絵の一部】

『不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ』よりナミィさん。
スライムキラーとしてお世話になりました。



第3章「フリカツ編」は今週で挿絵まで完了したので、
明日から第4章「設定編」に入っていきます。

フリカツ編は思ったよりもたくさん感想文が書けました!
ゲーム1本でここまで感想を書けたのは生まれて初めてではないでしょうか。
内容量は、全ての始まりから発売までの経緯が4割、感想文が6割という感じで、
ここからチェックが入って減ったり増えたりする予定です。



本日は↓のウディタ作品関連記事も一緒にアップしております。
よければこちらもぜひご覧ください。
 
■ 2016/02/27 (土)  Steamにウディタ作品! ■
【新たなウディタ作品がSteam参入します!】

私に関連することなのでここでお知らせさせていただきますが、
本日、陰でSteam展開のお手伝いをさせていただいていた
△○□×様の『LiEat』というフリーゲームがSteamにリリースされました。
これも『片道勇者』と同じく、ありがたいことに
WOLF RPGエディター(ウディタ)で開発された作品です。

PLAYISMさんにはSteam対応ウディタを
ご提供させていただいておりまして、Steamの実績機能に対応しています。
『LiEat』がうまくいけば、また別のウディタ作品の
Steam参入も決まるかもしれません。



もちろんSteam参入には英語ローカライズも前提となりますが、
ウディタでゲームを作られている方で「我こそは!」という人は、
ぜひPLAYISMさんちにゲームのアピールをしてみてください。
うまくいけば海外展開、もっと進めばSteam参入のチャンスもあります。

最近のSteamはゲームのリリース数が半端なく増大しましたが、
それはすなわち以前よりも門戸が開かれているということなので、
個人制作のゲームもリリースしやすい状況になっていると感じます。
私の頃はSteam Greenlight(ユーザ投票等でSteamリリース作品を決めるページ)に
登録しないと無理という雰囲気でしたが、今はもう直接リリースできるようです。


開発される方のセンスや開発力がツールの善し悪しよりも
圧倒的に重要なのはもちろん言わずもがなですが、
逆に言えばツール製だからって世界進出と無縁ではないのです!
ということだけユーザの皆さまにお伝えしたかった次第です。

なおウディタの次回修正は開発記のリリース後に行いますので、少々お待ちください。
解像度の16:9対応や、解像度とは別にチップサイズを
自由選択(今の段階では16、32、40px、将来的に48も)できる機能も搭載予定です。
 
■ 2016/02/20 (土)  片道勇者開発記 7 ■
【片道勇者 開発記 7】

順調に開発記記事の番号が増えていますが、
今週は『片道勇者』のバグ修正やウディタの海外対応や
その他要件が入ってきていて、進みはほどほどでした。
確定申告もまだ終わってないのでしばらくは忙しくなりそうです。


※開発記用の挿絵

そうはいいつつ、ここ数週間で見た開発記の進捗はけっこう順調で、
今の段階で全体の約65~70%くらいまで達しています。
現在は3章の「フリカツ編」の下書きがおおよそ書き終わっていて、
これからチェックを入れたり(かつチェックしてもらったり)
直したり挿絵を入れたりする段階です。

そこまで終わればあとは4章の「設定編」を残すのみですので、
道なかばを過ぎてゴールが見えてきた感触があります。
(※ちなみに復習すると1章は無印開発編、2章は海外展開+プラス開発編です)

4章の「設定編」はボツになった案や各アイテム・NPCについての所見などを
書き連ねていこうかなと考えています。
もしかしたら普通のプレイヤーさんにとって一番楽しい項目かもしれません。



【ターゲットについて】

今さらながら、『片道勇者 開発記』はどんな人が読むかという対象者を
あまり絞っておらず、片道勇者に関連する
私が思い出せる全てのことを好き勝手に書いたものです。
基本的には、「舞台裏が気になる人」あるいは
「私がどう考えてゲームを作ってるか知りたい人」向けだと考えています。

実際のところ、この開発記は私自身のために書いているのかもしれません。
自分が『片道勇者』で得た体験や知見、たとえば
私がどこで何を学んだか、自分の強い部分や弱い部分はどこか、
そしてどこで何をやらかしてどう対応すべきだったかといったことが
文書を整理する工程でこれまで以上に頭に刻み込まれているので、
考え方の整頓・強化にも役立っている気がしています。

こういう本をあまり必要としておられない方も多いとは思いますが、
長い開発の後には、たまには何ヶ月程度か費やして
自分の頭の中を整理するための本を作ってもいいなと感じました。
ついでにちょっとした収益化に繋がればラッキー、くらいのつもりで。

しかしいざ色々書いてみると、他の人の開発記も読んでみたくなりますね。
フリーゲームでも、別売りの本を有料販売して収益化する構造は
DLCなどよりもお金を出しやすくて悪くないと思うんですが、
開発者の皆さま、いかがでしょう?
 
■ 2016/02/13 (土)  プラネットハウルの裏側 2 ■
【プラネットハウルの裏側 2】

前回に引き続き、今回もプラネットハウルの没ネタ紹介です。
今回は一番最初に挙がったシナリオ案のご紹介!

このときは1話分のペースやら何やらがお互い分かっていなかったので
本当に仮の案でしたが、現在のストーリーのベースになっています。



【物語の舞台・ストーリー】
テキスト・図はシナリオ担当のPERYKARN氏によるものです。


【舞台】
舞台はガス惑星の大気県内に浮遊している都市。
しかし経年劣化であちこち崩落がはじまり資源が枯渇しはじめている。

そこで都市から落下した物的資源・人的資源を
できる限り回収する事業が立ち上げられた。
そのテスト作業者が主人公だ。

<物語の舞台図>



【主要人物】
●主人公君: ほどほどの真面目さと正義感を持っているであろう。

●ナビゲーターおじさん: 主人公を仕事でも私事でも
サポートしてくれるおじさん。オペレーター役などを担当。

●市長: 探検隊の偉い人。このガス惑星を調査し、都市建設を提案・実施し、
現在は運営を任されている。人情に厚いおじさん。

●ヒロインさん:主人公のお仕事中に落下してきた。


【プロット】
≪1話≫
市長からプロジェクト概要を説明されて作業を開始する主人公とナビおじさん。

通信環境が安定せずノイズが入ったりする過酷な環境になんとか対応して
瓦礫や誰かの宝物やらを回収していく日々だったが、
ある日、都市の更に上空から女の子が降ってくるのだった。


≪2話≫
主人公に拠点までお持ち帰りされるヒロインさん。

事情を聞いてみると、ヒロインさんは惑星の深層を探査したかったらしく、
惑星軌道上に観測機器を設置しにいっていたらしい。

設置作業が完了したところまではよかったが、帰還中の乗り物が故障。
パラシュートで都市に着陸すればいいやと脱出したら開かなくて……という経緯。

気を取り直して観測結果を見てみると、何やら惑星深部から
人為的なものだと思われる微弱な波形が発信されていた。
それ以上のことは分からなかったので、深部への突入に耐えうる探査機を
使って当該ポイントへの突入を試みることになる。

(回想時における軌道上の作業をアクションステージにする想定。
 回想中ですが主人公やナビおじさんがツッコミを入れまくります)


≪3話≫
ヒロインさんの設計した操作性最悪な試製探査機で
ガス雲海に突入する主人公とヒロインさん。
途中に中継ビーコンを設置しつつ、危険な旋風や雷雲を回避しつつ下へ下へ。
苦難の果てに厚い雲の層を抜けると、そこには水ではない何かの液体の海。
そしてヒト以外の文明による建造物!

温度も圧力もヒトの生存域とは大きく隔たる世界で
独自に発達した生命体が存在していたのだ。
交信してみると意思の疎通はできる。
都市からの落下物で言葉や文化はある程度知っていたらしい。

取り急ぎ市長へこれを報告すると市長は豹変。
キャリアアップのためには自分の担当した惑星に
生命体がいられると都合が悪い。
市長は生命体諸共、主人公らを消し飛ばすべく
ぶっといミサイルを発射したりしました。やばいぜ。
なお、都市に残っていたナビおじさんは黒服に拉致られました。

ミサイルの撃墜・解体を試みる主人公らであったがその甲斐なく弾頭が着弾し……。


≪4話≫
ミサイルの衝撃波が到達する前に一部の生命体を救出し、安全圏へと脱出する!
都市に戻っておじさんを拘束から解放!
主人公らに踏み込まれる前に緊急シャトルで宇宙に逃げ去る市長!

ヒロインさんの観測機器設置機械を遠隔操作して市長シャトルを撃墜!
落下してくる生身市長をキャッチ!

生命体さんは一部の個体さえいればなんか
うまいこと全体を復旧できるような特性を持っていたので
そこまで悲劇的でもありませんでした。やったぜ。終わり!



こちらは案出しの過程で私が出した提案です。


<SmokingWOLFの提案>

主人公に一話から最終話まで継続する大目標を付けるのはいかがでしょう?

一例: 原罪を抱えた主人公。
「あと半年以内に死ぬほど働かないと処分されてしまう!」

たとえば主人公は連邦の計画外に生まれてしまった子。
本来ならリサイクル槽行きで殺処分決定だが、人道的観点から20歳までに
貢献度XXポイントを溜められれば「以後の生存が許される」特例がある。

だがお人好しすぎていまだにポイントが足りない主人公は
とうとう20歳まであと半年という時期をむかえてしまい、
貢献度たんまり、未経験者大歓迎な死亡率X.X%の
危険な任務に参加する賭けに出た……みたいな。


【考えられるメリット】

・何らかの理由で立場が弱すぎて「やらないと死ぬ」系の話は
 納得しやすいし、ダメ機体を押しつけられる強い理由付けになる。

・仕事を放り出すこと自体が「命賭け」になるのでヒロイン救出展開がより燃える。
 やっぱりルールやルーチンを破壊してでも倫理を守るのは主人公の特権ですよ!

・全部終わった後に、もっとえらい人達から事件解決の貢献が認められて
 生きることが許されるというハッピーエンドに繋げられるかもしれないので
 1話からの物語に少し軸ができるかもしれない。

・主人公がかわいそうな立場だと見てる人も応援しやすい。



という感じです。

最終的に舞台は宇宙の衛星都市に移りましたが、
これらの案におけるそれぞれの人物の立ち位置や役割などは
大部分が踏襲されているのが分かると思います。
プレイ済の方は、最終的な成果物と比べてみると少し面白いかもしれませんね。



公開情報として語れるプラネットハウルの裏側は、ひとまず今回で最後です。
読んでくださってありがとうございました!
 
■ 2016/02/06 (土)  プラネットハウルの裏側 1 ■
【プラネットハウルの裏側 1】

ゲームの企画を立ち上げた直後に出た初期の構想は
なんだかんだで没になることも多いんですが、
ゲームがリリースされた後にそれを見るのはちょっと面白いと思うんですよ!
ということで、今回はプラネットハウルの初期構想の一つをご紹介!



【実はスノウ、最初は……】

まず以下の画像をご覧ください。



右側はなんだと思われるかもしれませんが、これもスノウです。
しかも、ファイルのバージョンは「左の人間型より古い」もの。
ここまで言えばピンと来た方もおられるかもしれません。

実はスノウ、最初は獣人 だったのです。
といいますか、最初の計画では1人も普通の人間を出さない予定でした。
元はというと、初期構想としてはPERYKARN氏(標準誤差StR)の
RainyTowerのイメージで考えていたためです。

最初は獣人だけの世界観だったのですが、ある日、
担当さんのアドバイスでスノウを人間化する案が挙がりました。
ちょっと再考してみたところ、世界観の深みを増す目的で面白みが増しますし、
その見た目の差自体が後々の重大な伏線に使えそう。
ということになり、スノウの側は獣人から人間になったのです。


1話の開発が終わる直前頃あたりまでは、スノウは獣人でした。
PERYKARN氏は第3話までのプロットを割とまるっと書き直しし、
私も慌てて人間型のスノウならびに他キャラをデザインをしなおしましたが、
お話は最初のバージョンよりも面白く、キャラクターの見た目の面でも
立ち位置の差が分かりやすくなったと私は感じています。

当時の「オエーッ」シーン。まだエフェクトも背景もありませんでした。

開発の裏では、たまにこんな風に特定部分がダイナミックに
差し替えられたりすることがあります。
個人で作っているときはあまりないのですけれど、
チームで作ったり、どこかに提出する目的で作っていたりする状況で、
「コストがかかるけどもっといい案」をいただいたときに発生しますね。
個人開発だと、「直すと面白そうだけど……」というところがあっても
コストをかけるのが面倒くさくてそのまま突っ走っちゃうことが多いもので。



次回の記事もプラネットハウルの初期構想について語る予定です。
今回ほどのビックリな事実はないかもしれませんが、気になる方はお楽しみに。