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■ 2017/01/28 (土)  どんな武装がお好き? ■
【どんな武装が好き?】

今週も拍手コメントでいただいたネタに比較的まじめにお答えしていくコーナーです!
何か聞きたいことがあればぜひ拍手コメントからどうぞ!

>前回のJRPGの話が面白かったのでそんなノリにあやかって質問します。        .
>私がやっていて気になったのは武器です。片道勇者には無数の種類の武器と理術が、
>モノリスフィアには魔法の力が、シルフドラグーンゼロには射撃武器があります。   .
>そこでウルフさんの思う「システム的に気に入っている武器」みたいなのはありますか?
>武器は戦いで使うなら何でも武器です。魔法も剣も盾も魔物でさえも。         .
>そんな感じで、武器について気に入っている物、新たに考えている物が気になります。


これは面白そうですね。自分がときめく要素に気付くきっかけに
なりそうなので、今回はこれを整理してみたいと思います。
なお「武器」というと割と攻撃用のグッズ限定っぽい感じなので、
本文では「武装」と呼ぶことにします。



これまで作ってきた武装ですぐ思いつく好みのものを挙げると、
以下のようなものになるでしょうか。

【好みの武装】

・シルフェイド幻想譚の「太陽の剣」
・モノリスフィアのバリア「アクエリア・シールド」
・シルフドラグーンゼロの近接兵装「エネルギークロー」
・片道勇者の「伝説の装備」全般
・片道勇者の「祈りの杖」など集中回数が上がる装備
・片道勇者の「盾」系防具
・片道勇者の「洗脳のクスリ」



それぞれ詳しくコメントしていきます。


◆シルフェイド幻想譚の「太陽の剣」

『シルフェイド幻想譚』は半フリーシナリオRPGでして、
その中に登場する『太陽の剣』は、かつて勇者に酷使された伝説の剣です。
必ずクリティカルが出て攻撃力も高いのですが、残り使用回数が非常に少ないのです!
個人的に燃える点は、回数の少なさゆえに「使い所を考える必要がある」ところでしょうか。

基本的に『太陽の剣』は、魔王を一回倒す分+αで壊れてしまうか、
あるいはピンチを乗り切るためにちょびちょび使っていくことになります。

「常に効果を発揮し、決して破壊されない強力な伝説の剣」よりは、
「今こそ使い所だ!」という意志を強く持ってようやく使うものの方が、
個人的にワクワクしますね。



◆モノリスフィアのバリア「アクエリア・シールド」

『モノリスフィア』はマウス操作ハイスピードアクションゲームです。
それに「アクエリア・シールド」という防御スキルが登場するのですが、これは
「バリアを張っている時間内は、どんな攻撃も地形効果ダメージも無効化できる」
というものです。バリアはクリックを押し続けて使用するのですが、
使える時間は割と短めになっています。

これを使って溶岩の中を突破できるギミックも用意されていますし、
「短い時間だけど絶対的な防御力を発揮できる」という点が
色んな意味で揺らがないところが大いに好みです。
これがダメージ80%軽減だったりすると、いまいちパッとしなかったでしょう。
(モノリスフィアはライフ5点制なので、%カットは基本的にはありえませんが)

また、このシールドのレベルを上げておくと、他の能力を使用中でも1回だけ
自動でバリアを張ってくれるという点も、強すぎない程度に便利で好きです。

そんな「使い所がなくならない」でも「強すぎない」というのも好みの点ではあるのですが、
それ以上に、「『使う!』と決めて発動し、そしてきっちり防御できた!」という流れが楽しめるのが、
個人的に「よくやれた!」という感覚を味わえて、もっと好きなところだったりします。
モノリスフィアに限らず、「盾」を自分で操作して防御できるゲームは大好きです。


◆シルフドラグーンゼロの近接兵装「エネルギークロー」

シルフドラグーンゼロは全方位シューティングゲームですが、
なんとサブ兵装として近接武器が用意されています。
それがこの「エネルギークロー」!

敵に接近しないと当てられない上、
使うとシールドゲージが下がって一瞬防御力が減ってしまうので、
使用時は結構なリスクを背負うことになります。
もちろん、その代わりに破壊力は高めです。

これも「使い所を判断して強力な一発を撃ち込む」系の武器で、
ほどほどのリスクとリターンを共に備えているのが好きなところです。
某アーマードコア3などの射突型ブレード(とっつき)くらいまで当てにくくなると
あまり使う気が起きませんが、このくらいなら割と気持ちよく使えるのかなと思います。
見た目がちょっときれいなのも個人的に好きなポイントです。

リスクとリターンというなら、「リミットブレイカー」という
防御力を下げながら攻撃力を倍にする兵装もあったのですが、
こちらはいまいち好きになれませんでした。
使用中、強くなってる実感が薄かったかもしれないので、
リミットブレイク中に撃った弾のエフェクトをもっと派手にするとか、
重い発射音を付けるなど工夫したほうがよかったかも?


◆片道勇者の「伝説の装備」全般

『片道勇者』は強制スクロールローグライクRPGです。
そのゲーム内に登場する伝説の装備は全般的に、
「すごく強力な代わりに使用回数が少ない」という風に設定されています。

これはもうシルフェイド幻想譚の『太陽の剣』の項目を見ていただければ分かるように、
「使い所を決めて使う」装備なのが好きですね!
といっても何本も大量に手に入ったりするケースもあるので、片道勇者では
ごくまれに捨てざるを得ない場面があったりするんですけれども。

一部の伝説の防具は、物理攻撃やら炎攻撃をほぼ無効化できたりするので、
ほんの数十回程度ですが使用中は強力な効果を実感できるのが好みな点です。
装備しっぱなしの伝説の装備よりも、使用回数制限があるほうが
「自分はいま伝説の装備を使っているんだ!」と強く感じられるのがいい!


◆片道勇者の「祈りの杖」など集中回数が上がる装備

片道勇者の「祈りの杖」はフォースを放つための「集中」回数を減らせるのですが、
地味ながら「ターン数短縮」というのは圧倒的な便利さを誇りますね!
だからといって無敵になるわけでもないので、こういう観点での
「便利さ」が増す装備は強いけど無敵になりにくくて好きです。

なおシルフェイド幻想譚などの「祈りの短剣」も集中回数を減らせるのですが、
こちらはもともと1ターンに何回も行動できるゲームなので、
強いのは強いんですが片道勇者よりは地味めだった印象があります。
それでも十分に選択肢に入るところが好きですね。


◆片道勇者の「盾」系防具

片道勇者における盾は、確率で一定ダメージを防げる追加装備です。
「盾の訓練」特徴などを積んでおくと大きなダメージを防ぐことができ
「効果が出た」というのがものすごく目に見えるので好きです。

「(90ダメージ中の)70ダメージを防いだ!」とか出すようにしたのも、
「効果が出てる感」をよく実感してもらいたかったからです。
この表記がなくて、何となく受けるダメージが減ってるだけだったら、
一部の人の間でたまに使われるだけの装備になった可能性もあるのではないでしょうか。
やっぱり「発揮された効果の度合いが目で見える」という部分は重要だと思います。


◆片道勇者の「洗脳のクスリ」

「洗脳のクスリ」は魔物を仲間にできるアイテムです。
中ボスや大ボスだけは仲間にできませんが、それ以外の敵モンスターなら
「最強のドラゴン」であろうが何だろうが仲間にすることができます。

「洗脳のクスリ」を持っている間は、敵が
「戦いたくないイヤな敵」から「強い仲間」に変わる可能性が生まれるので、
価値観の逆転が発生しうるところが面白いと思っています。
何より命中率は100%! 安全なときにめちゃ強い敵を仲間にするのもよし、
危険なときに目の前の敵を無力化してついでに仲間にするもよしで、どんな時も使えます。

レアアイテムなので使い所は考えさせられますが、
「強力だけどここぞという場面で使えるもの」は基本的に好きですね。
あと選択肢の幅が多くて無限の可能性があるものはもっと好きです。




【逆に好みじゃない武装は?】

こうやって整理してみると、私の好みじゃない武装も少し見えてきますね。
それは、「付けてても見えにくい効果しか発揮されないもの」ではないかなと感じます。

たとえば、私はパッシブ効果(永続的に効果が続く効果)は好きなのですが、
「効果が出ているのか分かりにくい」ものだと、そこまでときめかないようです。

たとえば、「特殊装備」欄を使って「行動速度10%アップ」の指輪を付ける、
などというのは、有効だと分かっていても心がキュンと来るほどではありません。
作っているゲームには、普通にバリエーションの一つとして入れちゃうんですけれどね。

でも、もしこの「行動速度を10%アップ」の指輪の効果が、
「10%の確率で連続行動のチャンスが来る」だったら、
大局的には効果がほぼ同じでも、私の中のときめきは激しくアップするでしょう。
たとえ確率が低くても、効果を発揮したときの「効いてる感」が強いほど、より興奮するようです。

他にも、「回避が地味に上がる系」の装備なども、
遊ぶときはよく使いますがときめきは少なめですね。
たとえそれで敵の攻撃を回避できたとしても、回避率の上昇分が
どれだけ回避に貢献したかが分かりづらいため、個人的にはそこまで興奮しません。

たとえば「盾を装備すると回避率が10%上がるよ」と書かれていても、
+10~20%くらいだと元の回避率で避けたのか、
盾で増えた分で避けたのかの区別が付きにくいはずです。
色々足して回避率100%近くまで上げて、完全に防げるレベルまで達すると
自分の手で達成できたことが分かるので「ウッヒョオオオ!」と思えるんですけれど。



【まとめ 結論としてどんな武装が好きか】

ということで、これまで挙げてきた好みの武装の共通点をまとめると、
以下のような要素を持つものではないかなと思います。

「使い所を考えさせる要素、使うことを強く意識して使う要素」

「たとえ発生確率が低くてもいいので、効果が出たときは
『効果がありましたぁぁぁ!』とはっきり伝えてくれる要素」


特に2つめの点は、たとえば先の回避率の話も、
ちょっと変えて「10%の確率で敵攻撃を完全無効化」などにしておき、
効果を発揮したときは「チャキーン! 完全無効化!」などと出せば、
より効いてる感があって私も興奮しやすくなる気がします。

要するに私は、「自分のそれまでの判断が良かったのかどうか、
またはあの装備を選んだ判断が今効いているのか、
なるべくはっきりと知りたい」
のだと思います。
それをしっかり教えてくれるものほど、私の中で好みの度合いが強いのです。

また、自分で言ってて何ですが、これは他の人にもある程度
通用する部分ではないかなと感じたところです。
たとえば、自らすすんで装備した「確率でダメージ無効化するアイテム」がピンチで発動したら
「よし、この戦いにこれを装備してきた自分の判断は正しかったんだ!」と分かるので、
「よくやれている感」の向上にも繋がることでしょう。
そしてだいたいの場合、人は「自分の判断でうまくやれている!」と感じると
どんどんその行為にハマっていってしまうものです。

今度の開発では、その点も意識して「自分の判断結果の分かりやすさ」を
より感じやすいように作っていきたいですね。



以上が私の好みの武装の傾向ですが、もしよかったら、
皆さまの好きな武装も教えていただけるとうれしいです!
単純に強いのが好きとか、当てやすい武装が好きとか何でも構いません。

フィードバックをいただければ次回作にも活かせるので、
ご意見をいただけるほどどんどん私の経験値になりますし、
 「私にとって特にこだわりがない部分」、要するにAでもBでもCでもいいと
思っているところに関しては、皆さんの好みに寄せていった方が
普及率の面でも有利になりますからね。



他に聞いてみたいことや、私の想像力を試したい内容などあれば
ぜひ拍手コメントからどうぞ! お答えできそうなものは随時お答えしていきます。
  
■ 2017/01/21 (土)  ずっと遊べるRPGを作るなら ■
【長く遊べるRPG話】

今週も拍手コメントでいただいたネタに比較的まじめにお答えしていくコーナーです!
何か聞きたいことがあれば無謀そうな内容でもぜひ拍手コメントからどうぞ!

>片道勇者+のような、最後まで油断できずに手に汗握るゲームも
>すごく楽しかったですがやはり日本人としては、王道JRPGのような
>コツコツ育成していくゲームというのも楽しいもの。          .
>ウルフさんが作る、ELONAのような、どこまでも続けられるRPGと .
>いうのはどんなものになるのか…というのも興味がありますね   .


「どこまでも続けられるRPG」は昔の私も夢見たものですが、
「最終段階でコンテンツ不足になって数値が増えるだけのゲームに
なりがちなのがどうやっても解決できないだろうな」という
何ともしがたい現実にぶち当たったあたりで、
完全に作るのを諦めちゃっていましたね。

Elonaは操作性が好みに合わなくて2回目の挫折中なのですが、
せっかくなので、「コツコツ育てる長く遊べるRPG」とだけ聞いて
私が想像したRPGのコンセプトだけここにまとめてみます。
実際に作るわけではないので、全ては机上の空論です。



・基本コンセプト

まず最初に、最新作の『片道勇者(プラス)』自体、JRPGをお手軽に体験できるゲームとして
必要最低限のRPG成分をイメージして作っているつもりのものでした。
つまり、王様に頼まれて始まり、街やダンジョンに行きつつ装備やアイテムを整えて
最終的にボスを倒してクリア、という一連の流れです。

なのでもし私が長く遊んでもらうJRPG的ゲームを形にしようとするなら、
『片道勇者』の長距離プレイをベースにすることになりそうな気がします。
敵が強い世界や困難なステージを突破していくという感じは
一部『片道勇者』と似た感じになるかもしれませんが、
それに加えて普通に「RPG」というならたぶん「探索要素」も求められていると思います。
『片道勇者』にはあんまり探索要素っぽいものはありませんでしたから、
その探索部分を長く遊べるようにしようと思うと工夫がいりそうですね。

「探索」というと、だいたいは「(敵の強さに応じた)攻略可能なエリアを探す」行為だったり、
「強いものや支払ったコスト以上のリソースを手に入れられる」可能性を探ったりと、
そんなプレイを指すことになるでしょうか。
これを無限に遊ぶ方法を成立させるのは骨が折れそうです。

ストーリーはまちがいなく薄くなってしまいそう……というか、
最初から特定の物語がなさそうなくらいの方がいいかもしれません。
とりあえずのストーリーは「楽園を目指せ!」という目標を設定するくらいで。
要するに、主目的を「探索」に置く感じです。

・ランダム生成ワールドを繋げる形

探索を長く楽しめることに焦点を置くなら、そこそこのサイズの
ランダム生成ワールドを渡っていく形式などが現実的かもしれません。
なぜ一枚の超大型マップでなく小さなマップを渡っていく形にするのかというと、
それはもっぱら開発上の都合で、一定サイズの小さなマップごとに切り分けて生成した方が
イベントの範囲を分離しやすくなり、管理が楽になるからです。
また、プレイヤーにも「世界が変わった」のが分かりやすくなるので、
イベントの問題解決をするにもその世界の中だけ走り回ればいいんだな、
と理解しやすくなるメリットもあるでしょう。敵の強さが変わるタイミングも見えやすくなるでしょうしね。

あるワールドからは何本かの接続点が生えていて、
そこから別のワールドに繋がってたりして、次々に世界を渡って冒険し続けたり、
ところどころにいる大ボスを倒してその世界の人々に感謝されたり、
生息している敵があまりに強くて逃げ帰ったり、
その世界の住人が守っている伝説の装備を譲ってもらったり強奪したりするのです。

最終的にクリアに関わる情報や手がかり的アイテムを集めて、
超強い敵が門を守っている楽園的世界にたどり着ければクリア!
そこで終わらずさらに冒険を続けるのも可!
みたいな感じが初期構想としては落としどころでしょうか。

ワールドの接続や内容は片道勇者みたく、他の人にも同じものが作られる方が面白そうです。
たまにとんでもない狂った強さの敵がいたりするワールドの名前や攻略情報を
SNSや掲示板で情報共有して、倒しに行ったりするのも面白いかもしれません。
ついでに、新たな拠点を獲得するとそこからリスタートできるようになったりすれば、
徐々に活動範囲を広められていいかもしれませんね。

あと、ワールド別で切り分けしておくとアップデートで内容が足しやすいのもいい点です。
(『片道勇者プラス』のアップデートのときみたいに、アップデートで
ワールド内容が変わったり繋がりが狂ったりしそうなのが心配ですけれども)

といいことばかり並べてみましたが、実際はいい具合に道がふさがれてたり、
強い敵群で守られているエリアを作ったり、その他の課題を
上手に「ランダムで」作るのは大変そうな気がします。
たぶん作ってみたら、結局は『片道勇者』程度の
ランダム世界にしかならなさそうな気もしますね。

つまり、延々と進み、たまにダンジョンや街があって……という『片道勇者』要素に加えて、
世界によっては定期的に急襲してくる敵がいたり、敵の強さにムラがあったり、
住人が敵対的だったり、究極の武器が隠されてたり……という要素が加わる感じでしょうか。

でも「進むごとに味付けが変わる」くらいなら、
『片道勇者』でもやれないことはないんですよね。
進んで、地形が変わったらそうすればいいだけですから。
(「捜し物」系のイベントだけは困難かもしれません)

決定的に変わるとすれば、『片道勇者』は一方通行ですが、今話している案は
「攻略可能な場所を探す」「行く順は自由」な点が主に違うところなのかもしれません。
もっと「探索」という概念への理解が進めば何か面白さが思いつくかもしれませんが、
今の私だと、レール式ゲーム(片道勇者)と探索有りゲームの主な差は
上記の2点くらいしか作れなさそうです。


・自キャラは万能になりすぎない方が面白いかもしれない

自由に世界を移動しまわれるゲームを想定する場合、
「強くなれば一定以下の強さの相手に無思考で勝てる」ようにしちゃうと、
場所によってはまったく緊張感のない探索になるかもしれません。
私の場合は「どんなに強くなっても判断をミスったら死ぬ」程度のほうがおもしろそうに見えます。

なので、たとえば能力やスキルを拠点から選んで持っていって、
リソース(元気など)を使い切るとまた帰還して補給、みたいなシステムもいいかもしれません。
鍛えた果てに常に万能で便利なキャラになるより、次に冒険するエリアに合わせて
用意したり、行動に限界がある方が計画性が試されて私は好みです。
どんな弱い敵にも体力や気力(や技)が尽きれば負けるというのも生々しくて好きですしね!

RPGの面白いところって、先に備えて準備して出発するのもその一つだと思うので、
作るなら、そこで判断が求められるような形にしたいなという願望があります。


・ローグライク式システムは色々できそう

ローグライク式システムならTRPG的な判定やら何やらがやりやすそうで
攻略の幅が広がって面白そうな気がしますね。
柔軟なアクションが取りやすいのが面白いところです。

たとえば忍び足スキルで敵に見つかりにくくして移動したり、
鍵開けで建物に侵入したり、水泳したり壁登りしたり馬に乗ったり
炎上みたいな地形効果をばらまいたりと色々できそうなので
工夫のしがいが出そうです。

ただ、方法が多いとバランス次第でワンパターンになる危険性があって、
開発者側もバランス調整が大変になる危惧があります。
方法が増えれば増えるほど、ある程度有利な技や攻略法などが
生まれてしまう前提でやるべきかもしれません。
それの対策として、同じ技が何度も使えすぎないようにするのも
ありじゃないのかなという発想も沸いてきています。



みたいな感じでぼんやり考えてみましたが、どうでしょうか。

もちろんこれは理想や可能性だけを挙げていったものなので、
実現しようとすれば確実に苦しいことになるでしょうし、
開発側として制御が困難になることもたくさん増えるでしょう。

そしてまた、昔の自分ならこういうのもやりたいと思ったかもしれませんが、
今の自分には壮大なゲーム作りに挑戦する気概はあまり持っていません。
要素の軸が増えると制御しきれなくなり、バランスの微妙さが失われやすいので、
今の自分としては要素を絞って、「楽しませたい部分」一点勝負の方が
リソースが限られるアマチュアゲーム的に成功しやすいのかなと思うところはあります。
要するに、壮大なゲームは「楽しませたい内容だけを伝えるには効率が悪い」と考えているのです。

「普通のRPG」と簡単に言いますが、実際は探索要素に成長要素にバトル要素にと、
「実は色んなものが混ざりすぎてて面白く作るの大変すぎでしょ! 
最初に作るゲームとしてはRPGは難易度高すぎる!」
とシルフェイド幻想譚で痛感したのも懐かしい思い出です。

理想はシル幻のイベントやマップみたいなのをオムニバス的にランダム生成して
先に言ったようにいっぱい繋げられるようになることなんですが、
たぶん実際にやったらその3割も達成できない気がしますね。



そしてここまで書いておいてなんですが、
答え合わせがてらちょっとレビューやらなにやら調べてみたら、
Elonaはどっちかというと「生活シミュレーション」的な側面も大きいみたいですね!
長く遊べるRPGと聞いて、私は完全に探索RPG的な意味での
「冒険をし続けられるゲーム」しか想像していませんでした。
「試せることが多い」という観点で世界を創ると、また違う広がりがあって面白そうです。



他に聞いてみたいことや、私の想像力を試したい内容などあれば
ぜひ拍手コメントからどうぞ! お答えできそうなものは随時お答えしていきます。
 
■ 2017/01/14 (土)  ウディタの今後の話など ■
【ウディタの今後の話など】

内々では色んなことが舞い込んできていて大騒ぎしているところですが、
開発日誌ではまだ言えないことばかりなので、今回からしばらく
皆さまからお寄せいただいた質問やネタにお答えしていきます!



今回はWOLF RPGエディター(ウディタ)の話題です。
なおウディタは、現在、最新版Ver2.20のβ版をバグ報告スレッドで公開中です。
そろそろリリースできるかと思いましたが、またバグが山積みになっています。
バグ報告してくださる皆さま、いつも本当にありがとうございます!



>ウディタの有償化するかしないか、今後のサポートの方向性を知りたいです。
>要望の機能を実装するのか、不具合の修正に集中するのか等……。    .


これは答えによっては物議をかもしそうなご質問!
ですが不安な方もいらっしゃるかもしれませんので、
一度明確にしておいたほうがいいかなとも思います。

今の私の率直な心情としては、サポート期間のいくらかの生活費くらいはまかなわないと
餓死する気がしはじめているので、少しはウディタを収益に繋げた方が続けやすいだろうな、
という考えを持ちつつあるのは事実です。

例えば2016年だけでサポートにまるっと2~3ヶ月分くらいボランティアで修正しているので、
年収の16%~25%を失いながらサポートしてると考えるとこれはなかなかです。
世知辛いですが、年を取るほどボランティアに使える時間も短くなっていますしね。

といっても、いくらかの生活費のためだけに
利用者の大多数がガッカリしてしまうようなやり方は私もガッカリなので、
基本的には従来の利用者の皆さまに不便のないようにサポートを続けるつもりです。
となると仮に有料の何かが出ても、無料で使える範囲は以下の通りであり続けたいと考えています。


【ウディタが無料で使える範囲の方向性】

・今後新たに搭載された新機能はこれまで通り使用可能。
・もちろんバグもこれまで通り修正を続ける。
・今後の最新バージョンもずっと使用可能。
・ご要望には元々あまり対応してない気がします。
(ごく低コストで実装できるものと自分が賛同したものなら入れています)



この範囲を維持して何か収益化に繋げるなら、「元からなかった部分を使えるようにする」とか、
「関連する成果物を販売する」とか、あるいは「カンパ」など、そういった感じになると思います。

「関連する成果物」ならばたとえばグッズはどうか……と思っていたんですが、
メタルストラップはまだ黒字になってないのでなかなか難しそうです。

「カンパ」はおそらくやり始めた頃に少し入るだけで、それ以後は低調になり、
割とすぐにカンパ窓口の存在意義がなくなる状態になると予想してます。
→1/14 23:46追記:法律的にややこしそうというのも懸念事項の一つになりました。
カンパは寄付扱いになるんでしょうか。少なくともPayPalさんではアウトらしいです。

カンパに似た方向性として、「Enty」や「ファンティア」といった支援系サービスもあるんですが、
これのリスクとして期待の金額が集まらないまま
コンテンツ提供を続ける必要が出る可能性を見ていて、
精神的・労力的な負担をこれ以上増大させたくないとの考えから今のところは見送っています。
(全年齢ゲーム開発者は月1万円の支援のボーダーに達するのも難しい印象があります)

その他、色々と案を考えているところですが、何にせよ、仮に収益化するにしても
皆さまにご不便をおかけしないやり方でやりたいなと考えていますので、
そういった点でご心配な方はどうかご安心ください。



>ウディタ2.20が正式版になった暁には         .
>【C言語とRubyとウディタの計算速度】(2009/02/13)
>を再度検証して欲しいです。貴台自身で論外と評した
>ウディタの速度が現在どれだけ改善され、また    .
>Rubyの速度にどれだけ迫っているのか気になります。


これ意外と手間がかかるので私はやりたくないです!
興味がある方はぜひやってみてください。
私は前回、変数操作の10万回分くらいを計算したんですっけ。

推測としては、VXAceなどの最新のRGSS3ならば
ツクールXP時代のRGSSよりだいぶ速くなっているらしいので、
1処理の速度比では以前と同じくウディタが最も「遅い」と思います。

ただその割には、「ウディタ製のゲームは軽い」と言われることも少なくありません。
ウディタが軽いと言われるのは、DXライブラリで言うところの
「グラフィックカードの3D機能」を使っているからという部分が一番大きいと思います。
以下は技術的な解説です。

旧来のRPGツクールはプレイヤーの環境によって差異が出ないよう、
CPUを使って描画していると思うのですが、ウディタはその差異が出ることを覚悟で
CPUでなくグラフィックボードを使って描画しており、そこで速度の優位さを獲得していました。
(ウディタで「ソフトウェア描画」にすると、旧来のツクールと似た形式・重さになると思います)

・たとえば毎秒60フレーム、つまり1枚あたり16ミリ秒ごとに更新して動かす前提で、
仮にツクール側がCPUによって8ミリ秒かけて画面を描画していたとすると
コマ落ちさせずにイベント処理に使える時間は16-8=残りの8ミリ秒のみです。

・ですが描画をグラフィックボードに任せた場合はまるっとCPU時間が空くっぽいので、
イベント処理に使える時間が8ミリ秒からほぼ16ミリ秒まで伸びるため、
2倍の量のイベント処理を実行しても処理落ちしなくなります。
これら数値は仮のものですが、仕組み的にはこれがウディタの得ていた優位性です。


なお最新のRPGツクールMVはOpenGLでグラフィックボードによる描画をしているようなので、
従来のツクールみたく、描画で処理時間を喰っていた問題もカバーされていると思います。
イベント部分はJavaScriptで動いているので速度については分かりませんが、
気になる人はJavaScriptの処理時間も比較してみても面白いかもしれませんね。
私はMVのゲームがブラウザで動かないことが多いのであまり試せていません。悲しい。



ということで、今回はウディタに関するご質問にお答えしました!
色んなご意見ご質問をお寄せくださっている皆さま、本当にありがとうございます!

引き続き、開発日誌で話して欲しいネタやご質問など、
拍手コメントから受け付けております。
答えられるものでしたら取り上げていきますので、
無茶振りと感じられそうなものでも何でもどうぞ。
■ 2017/01/07 (土)  新たなる日々(療養中) ■
【リプレイ編集中+療養中】



ただいま『片道勇者TRPGプラス』単発リプレイの編集作業中です!

が、お正月特有のアレコレで体調を崩してしまって復調に時間がかかってまして、
さらに年始から色んな作業の案件が飛んできて思考力が分散しています。
でも、なんだかんだで今年も楽しい一年になりそうな予感です。

せっかく皆さまから色々と日誌用のネタをいただいているのに残念ですが、
今はあまり思考力に余裕がないので、今週の日誌はお茶濁し回です。

なお、これまでに引き続き日誌のネタはいつでも募集中です!
「開発日誌で語って欲しいネタ」や、
「(特に聞きたくなくなくても)ネタとしてこんな話はどうですか」とか、
その他日誌のテーマやネタ、質問等、いくらでもどうぞ!

そしてすでにお寄せくださった皆さまの数々の日誌ネタ、本当にありがとうございます!
すでに何ヶ月分かくらい、開発日誌にコラムが書けそうな数をいただいております。
開発日誌のネタが思いつかないことが多いので助けになります。

もちろん、次回作の内容も早く出せるようにがんばっていきたいと思います。



【公式サイトセール、そろそろ終了です!】

来週末、1/14(土)過ぎごろまでをメドに、私のリソースに余裕ができ次第、
セールを終了する予定です! お安くお買い求めになりたい方はお早めに!

ADV『シルエットノート

1500500!(-66%


育成SLG『シルフェイド学院物語
シルフェイド学院物語
20001000!(-50%


強制横スクロールRPG『片道勇者プラス

500200!(-60%


ファンブック『片道勇者開発記 四年の旅路

500300!(-40%


Kindle版『片道勇者開発記』(主にスマホ用)も300円です!

■ 2017/01/01 (日)  あけまして+今年の目標 ■
【あけまして2017年!】

ということでついに2017年です! 平成生まれの人も徐々にアラサー(30歳付近)に!

去年は開発した記録の整理や、TRPG書籍関係のアレコレや、
たまりにたまったサポート業務のお片付けなどで終わってしまいましたが、
今年はしょっぱなからガッツリゲーム開発する予定です!
ちょっと新しくて面白くて遊びやすくて作者でも何回も遊べるゲームを作りたいですね。



【今年の目標 ゲームを一本リリースする!】

『片道勇者開発記』でローグライク開発のコツが結構整理できた気がするので
もう一本ローグライクっぽいの作りたいと思ってます。
無料か有料かはできたモノ次第です。
余裕があれば今回も開発記みたいなのも並行してメモしていきたいですね。

完成目標は2017年末! なんて考えていると1.5倍以上かかって2018年7月くらいになるので、
基本的な目標としては2017年8月くらいをメドにしてみます。たぶん間に合いません。
『片道勇者』の無印版も最初は開発6ヶ月程度の規模を想定して順調に1.5倍になったので
最低限のデータ量でエッセンスを形にするならこんな感じだと思います。
新しいゲームだと、アイデア自体がそもそも皆さんのお口に合わない可能性もありますからね。
(※『片道勇者』も「これきっと一般ウケしないでしょ……」と思いながら作ってましたし)

プロトタイプがあんまり面白くなくてボツになったら次のアイデアに移るので、
その分後ろにスライドしていきます。
必要に応じて、皆さまに期間限定でα版を試していただくかもしれません。



【『片道勇者』無印版の開発ペースを参考にした目標開発期間】

『片道勇者』の無印版と同じペースを想定して、目標開発期間を立ててみます。

- プロトタイプ:開発日数30日 → で完遂するつもりが実際は50日目くらいの段階で
基本システムと仮データ1個ずつのα版を完成
→ ※ダメそうなら作戦中止、次のプロトタイプ案へ。

- 完成:そこから開発日数120日くらい → でデータ・システム追加を終えるつもりが
結局210日もかかってある程度のデータ完成(無印片道勇者)


ということで、経験的にどう考えても最初に想定した期間の1.5倍以上になるようなので、
とりあえずは30日でプロトタイプを完成させる(つもり)でプランを組みます。

どうして開発期間が伸びるのかっていうと、最初に思いつかなかった「実は必須だった要素」や
「入れれば絶対面白くなる要素」などが、作っていくうちにどんどん明らかになって
山積みになっていってしまうからです。特に私好みの新しいゲーム性のモノだと余計に!

実際、『片道勇者』の無印版から削ってもいい要素は恐らくほぼ何一つないと思うんですが、
最初の想定だとその60%くらいの要素しかイメージしていなかったわけで、
要するに「最初の想定」だけでは楽しんでいただくための要素が全然足りないんですよ。
やり込む方としては、無印版ですら不満な人も多かったと思いますしね。

そんなわけで、少なくとも私のゲーム開発においては、
ほぼ絶対に! 最初にイメージしている分以上に開発が伸びます。
初心者の頃は想定の3倍くらいかかっていましたが、
ちょっと熟練者になってきたかもしれない今でも1.5倍には伸びます。
完成品が完全に想像できる開発や妥協しまくれば1.1倍くらいで済むかもしれませんが、
結果が分かっているゲームや妥協にまみれた一作を作るのもあんまり面白くないですしね。

そんなわけで、果たしてこの想定がどれだけ合っているのか、
これから確かめていく期間が始まります。

といっても、まだウディタの修正終わってないんですけどね! まずは地固めです。
ウディタでゲームを作るんですから、道具はしっかり磨いておきたいところです。



それでは、今年も一年、皆さまよろしくお願いします!