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■ 2022/08/21 (日)  第14回ウディコン 結果発表! ■
【第14回ウディコン、結果発表!】

ということで毎年の夏のお楽しみ、「WOLF RPGエディターコンテスト」も
8/21をもってとうとう結果発表&閉幕となりました!

【WOLF RPGエディターコンテスト 公式サイト】


今回もいつも通り上位3作品の作品と、個人的ピックアップをご紹介します!


【第1位 『脳筋魔法使いは進学したい』】 なす太郎 様

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総合1位は、ローグライトなダイスゲーム、『脳筋魔法使いは進学したい』!
熱中度1位! 斬新さ・遊びやすさ・その他部門で2位を獲得した作品です!

本作は戦闘中に振ったダイス(サイコロ)を各スキルに割り振って戦い、
スキルや魔法をうまく選んで進んで行くノンフィールド進行のゲーム!
チュートリアルをやっておいたほうがいい程度の複雑さはありますが、
状況に合わせたスキル・魔法のうまい取り方が分かってくると
夢中で何度も挑戦したくなってしまう一作です。

ゲーム中は右クリックで各アイコンなどの説明が見られてとても親切!
色んなスキルを得て1ターンにたくさんアクションできるとどんどん楽しくなってくる!

ちなみにこのゲーム、ダイス運のなさは「魔法」や
「スキルの取り方」でカバーすることができ、

●小さい出目が出たときでも使えるスキルを取っておいて、
ダイス目の大小にかかわらずある程度戦えるようにする。
●魔法で出目を補正する。MPは毎戦闘ごとに全回復。
●(そこそこ貴重な)エクストラダイスを使って振り足しする

といったことができるので、リソースを上手に使えるようになると
ダイス目の悪さの影響をだんだん減らすことができます。
もちろん、消費リソースを使うのは最小限にしておかないと、
最後あたりで足りなくなっちゃうわけですが!

そのあたりもうまいことコントロールしながら進むのが楽しい一作!
1位になったのも納得の面白さです!



【第2位 『雲間からレグルス』】 SEPTET 様

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総合2位は、レベルを上げ下げしながら宇宙を駆けるRPG&ADV『雲間からレグルス』!
いろいろな星を旅する、全体的にやわらかい雰囲気のRPGです!
物語性1位! その他部門で2位! 熱中度と斬新さで3位を得た作品です。

この世界では「レベル」の概念が世界設定に深く関わっており、
たとえば「人間」は最高レベルが「20」までしか上がらないのですが、
他の種族はもっと最高レベルが高かったりします。

ところが主人公ルグが拾った星の子レオは、
そんな人間のレベル上限を無視してレベル操作ができる力の持ち主!
ルグとレオは色んな人の問題を解決しながらいろいろな星を巡るのですが、
話が進むたびにとんでもない事実が明らかになり……!?
文化が違う様々な星を渡るのもSFらしさがあり、
そういうのが好きな人にも楽しめそうな内容です。

またこの作品、「レベル上げ作業」というものは基本的になく、
ほぼ街の探索だけで総レベル限界を上げられるのが遊びやすい!
また、パーティーメンバーのレベルの上げ下げも、
そのときどきのレベル限界値までの範囲なら自由!

戦闘はもっぱらイベント戦だけで進みますが、
敵も「レベルが一定以下/以上の対象だけにダメージを与える」といった
「レベル数」が条件の技を使ってきたりするので、
そのあたりでレベルの上げ下げを活かすゲーム性になっています。

とはいえ、本作が一番皆さんの心を引きつけたのは「物語性」でしょう!
好きになれるキャラクターたち、レベルの概念を深く印象づけるゲームシステム、
そして優しさあり切なさありのお話が胸を打つ、すばらしい一作です!



【第3位 『メトロノームファイト』】 二六千里 様

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総合3位は、4つ打ちパズルチック戦闘ゲーム『メトロノームファイト』!
斬新さとその他部門で1位! 画像音声で5位を獲得した作品です!

本作はリズムに合わせてコマンドを入力して進めていくバトルシステムで、
敵の行動に合わせてアタックやガードの量を調整したり、
敵の行動を遅らせたりするプッシュをしたり、使用回数を回復させたりと、
敵を観察しながらリズムに合わせて最適なコマンド入力が求められるゲーム!

リアルタイムで敵の情報と自分の残りコマンド数を見て
適した敵ターゲットを選びつつコマンドをリズムよく入力するというのを
同時にやるのがかなり大変なのですが、
慣れていくほどに理想の対応が取れるようになってきて、
少しずつ対応できるようになってくのがこのゲームの魅力です。

難易度はかなりゲーマー向きな印象でしたが、だからこそなのか
プレイヤー側のHPが1以下にならない無敵化の「アンデッドオプション」まで搭載!
難しさを自覚していることが伝わる思い切ったサポートが用意されています。
失敗を恐れずリズムゲーム部分を楽しむという遊び方ができるため、
この機能は本作品を3位のポジションに押し上げた一因を担っていると思います。
といいますか私もアンデッドオプションに頼らせていただいております!
とてもありがたい!

また、上の紹介画像からは分かりませんが
キャラクターたちがとてもかわいい! 見た目も中味もみんな魅力的!
かつ会話パートの演出も凝っていて楽しいので、これらも一見の価値ありです。

斬新さで評価を得た今作。
新しい感触のゲームに挑戦してみたい人はぜひ遊んでみてください。



これら紹介させていただいた上位3位は、熱中度、物語性、斬新さと
それぞれ異なる評価で頂点を取ったすばらしいゲームです!

さらに今年はトップ層に限らず、エントリー作品は
ほとんどがそれぞれ面白く仕上げられており、順位が付いているものは
どれもこれも触れれば「おおー!」と言えるものばかり!

さらには順位外のゲームもしっかり面白い部分があって、
今年は隅から隅まで注目に値する作品群でした。

結果発表ページには部門別順位や一般投票コメントなども掲載されていますので、
それらも参考にしつつ、気になる作品があればぜひ触ってみてください!
たとえば新しいゲームに触れてみたい人は「斬新さ」部門を、
キャラクターや物語の良さを楽しみたい人は「物語性」部門がおすすめです。



おまけ紹介!
今回、個人的に印象に残ったゲームとして、
『畑から始める魔法薬学入門』をピックアップさせていただきます!

【個人的ピックアップ 『畑から始める魔法薬学入門』】 abon 様

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『畑から始める魔法薬学入門』は調合&栽培&採取をしながら進めていくRPG!
細かいところで「おーなるほど!」と叫んだ回数が
たぶん一番多かったので今回ピックアップさせていただきます。

前置きとして、遊ぶ上で気になる点やもっとよくできそうな部分はあるのですが、
そのあたりは実装技術の向上によって自然と解決されていきそうな点ばかりだったので、
今回はこの作品を遊んでいて、センスのよさを感じて
私の口から出た「おおー!」と思ったポイントを重点的にご紹介! 


●オープニングのテンポがいい

オープニングはデモシーンの後に操作させながら教えるチュートリアルが入るのですが、
1シーンごとのボリュームが適切な上に場所移動のたびにパッパッと必要な場所にすぐ移って、
オープニングメッセージを読むのがしんどくなってくることがある私でも
「なにこれ自分の期待を超えるスピードでテンポいい! ありがてぇ!」と叫んでいました。

もちろんこの作品だけでなく、今回は他にもテンポのいいオープニングのゲームが
多かった気がします。その配慮が非常にありがたい!
私の開発でも「オープニングで悪い意味で詰め込みすぎて失敗したかも」と思ったことは
何度かあったので、うまくオープニングを作ってるゲームには敬意を感じます。


●近付くと調べられる対象が光るシステム

探せば過去に別のゲームでも搭載されている機能だとは思いますが、
これ、実際に使ってみると「最初から調べられるポイントが全部見えてる」のでも、
「全部決定キーで調べてみないと分からない」というのでもないのが絶妙!

「【数マス内まで近付くと】調べられる箇所が分かる」というのが超ナイスな塩梅で、
遠くに何か見えたとき「あれは収集物かな?」と思って近付いてみて
それが当たってるときの喜びが感じられたりするので、
「最初から全部調べられるポイントが見えてる」のに比べると
しっかり探索感があるんですよこれが!
それでいて、「調べられる対象か分からない」からと
いちいち1つずつ決定キーで全部調べる必要もない親切さも同居している!

このシステムは「収集システム」と「1歩ごとに時間を消費するシステム」との
組み合わせが逸品だと思ったので、私もマネたいと思った部分です。
3Dのゲームだと近付いたらターゲットのマークが出ることが多いのですが、
2Dのゲームで似たようなことをやる発想は私にもあまりなかったんですよ。



●色んな要素のまとめ方がうまい

このゲーム、調合・栽培・収集・依頼・戦闘と色んな要素があるのですが、
私が想像していた以上にバランス良くまとまっているのに感心していました。

だいたいこれだけ要素が入っていたら
どれかはひたすら稼ぎプレイできる部分が出たり強力すぎるものがでたり、
逆に完全に死に要素が出てくるものだという印象があるのですが、
本作はそれぞれが適度につながっていてバランス的にも
重すぎたり軽すぎたりしないくらいの感触で
「巧い!」とつぶやいていました。

また、搭載されている要素の中で感心したのが「依頼」の立ち位置!
「依頼をこなして得たポイントで拠点の発展ができる」というのが
「あまり見ない依頼の使い方でうまいなー!」とプレイしながら感じていました。

「依頼」ってこういうゲームだと「素材をお金(あれば名声)に変換する作業」に
なりがちで仕方なくやらなきゃいけない感じの立ち位置になることも多いのですが、
本作のように「拠点を発展させて基本効率を上げられる」という使い方になっていると
また違った動機付けになっていて新鮮でした。
欲しくない機能は強化しなくてもいいわけで、やらなくてもいい自由もあります。

また「栽培」要素も広い牧場が広がってるのではなく3×3マスの土が6セット分だけという
最小限の畑だけ用意されており、初見はその小ささに驚きましたが、
いざ使ってみるとゲーム規模に合ったよく考えられたサイズだという印象になりました。
私だと畑をこんな小さく作れなかったでしょうから目からウロコでした。

もちろん「調合」もストーリーの壁としてたびたび立ちはだかるので、
普段から適度に栽培したり素材収集している方がスムーズです。

本作に搭載されてる各要素は、ロールプレイ的な面も含めて
私も好きな「ロマン」を含有している要素なのですが、
私の場合、作り手側として「まとまらなくなりそう」という理由で取り入れるのを
早々に諦めてしまって、以後あまり検討にいれないようにしていた経験があるので、
個人開発規模としてうまくまとめられているなーと感心しながら遊んでいました。

本作は各要素を、「入れたいからとりあえず突っ込んだ」じゃなくて、
それぞれよく考えられた末に導入されているというのが分かる造りだったのが
すばらしいと感じます。


●未知の中で最適解を選び続けたくなる時間制や制限

本作は「1日の時間」が決まっていて歩数で時間消費するシステムで
夜中になると強制帰還させられてしまうので、初探索などの「未知の状況下」において
「まずは最適な動きを心がけよう」と考える動機付けになっているのが好みでした。
(ただ総日数制限はないっぽいので、分かると時間を無駄にできるゆるいプレイになっちゃうかも)

「1日に収集できるアイテムの数に制限がある」という要素も、
ダンジョンの入り口あたりにあるいつでも取れそうなものを
取るか取らないか悩みながら進んだりできるので、
「無思考に目に付いた素材を取っておけばいい」という感じに
なりにくいのも「いい!」と思った点です。
一方で、栽培での行動制限がなかったのはありがたかったですね。

他の作品でも、こういう1回で全部できない調整が入っているゲームを見るたびに
「ああー全部できないのいいー! 考えて選ぶのいいー!」
と思いながら遊んでいます。

「(ゆるいバランスでも)次の最適行動を考え続けた方がお得になる」
という調整、自分のゲームにもなるべく入れたいと思っているものなので、
そういう部分が考慮されているのが見えると個人的に喜びます。



という感じで私の琴線に触れる部分が多かった一作でして、
自分の中で忘れかけていた「ロマン」を詰め込んだゲームも
一回くらい作ってみたい気持ちにさせられました。
うまく面白くまとめるのは非常にセンスが求められそうですが!!

商業ゲームでもこれだけ色んな要素を入れて
上手に回っているゲームってあまり思いつかないので、
こういったロマンを詰め込んだ作品こそ、
思い切って挑戦できるインディー/フリーゲームならでは、
なのかもしれません。



【次回第15回について】

さて、ウディコンは来年2023年の『第15回』も開催予定です!
すでにスケジュールも決定済みです!
第15回ということで一つの区切りとなりそうですし、
今年の秋頃にはウディタの大規模アップデートもすると思いますので、
その辺りで強化されたゲームにも期待できるかもしれませんね。

それでは、第14回ウディコンに関わってくださった全ての関係者の皆さま、
今年も本当にありがとうございました!
よければ来年もぜひ見ていただけますと幸いです!
 
■ 2022/08/06 (土)  旅団世界リプレイ3巻 8/27発売! ■
【旅団世界TRPGリプレイ3巻 8/27発売!】

ということで旅団世界TRPGリプレイ3巻 『夏の旅団と神秘のカード』、
8/27(土)についに発売されました!

第3巻 『夏の旅団と神秘のカード』 販売ページへ(Amazon)


TRPG本はうちのコンテンツではサブの立ち位置ですが
開発資金の助けとしても修行の1つとしてもとても役に立っております!
特にシナリオ作りに関してはデジタルゲームより試行回数多くて楽しいですね。



【今回のお話の目玉!】

<アルバート登場!>

2巻ではネムリが主人公チームに加わりましたが、3巻ではなんとアルバートが参戦!
戦闘では活躍するのに探索では頼りなかったり、
大人のものにウブな反応を見せるいつも通りのアルバートが見られます!



<今回はサブカルチャー回!>

カードゲーム大会、準々決勝に残った上位8人!

今回はトレーディングカードゲームが巻き起こす数々の事件が発生!
そんな中、ホワイトドーン旅団は危険な優勝賞品のカードを
なんとか確保すべくカードゲーム大会に参加!
ティセ(⑥)とリゼットは服のボタンを開ける作戦で挑む!

だがティセはリゼットの予想以上に過激な姿を見て、
「ボタン2つ開けるといいよって言ったけど2つは多すぎたかも……」
と思うものの、準々決勝まで来て今さら言い出せないのでした。



アイドルプロデュース!

天使の少女のためにアイドルプロデュース活動!
4人はそれぞれネタを持ち寄って少女をプロデュースするのですが……!?
イラストはオーボス(左)の神聖ショー!
今回のオーボスは監督として大活躍!




【3巻の前日譚が動画で放送予定!】

今回は前日譚の動画リプレイが公開!
リプレイ本での時系列としては2巻と3巻の間のお話なのですが、
たいていの旅団員らの始まりのお話である、
「新人達が資格試験に参加して旅団員ライセンスを取得するまで」
のお話となっています!

メインキャラ同士も全員他人だったり、設定上だけ知り合いという感じで
過去ストーリーの文脈もほぼ出てこないシナリオなので、
これまでのお話を知らない初めての人でも安心して見られます。
よければぜひ!

◆動画前編↓

チャット欄では私や来てくださった方のコメントも見られます!


チャンネルごと見に行きたい人はこちら!
【Youtube シルバーセカンドチャンネル】