■ 2023/01/28 (土) ファイアーエムブレムエンゲージ お勉強メモ ■
【ファイアーエムブレムエンゲージ お勉強メモ】
今回は『ファイアーエムブレム エンゲージ』(以下FEエンゲージ)という
2023年1月20日発売の最新のゲームを遊ばせていただいたので、
ゲーム開発にかかわりそうな、勉強になった点の自分用メモを残しておきます。
やっぱり最新のゲームには最新の配慮があったり、
従来作と比べた工夫がいっぱいあったりしてすごく勉強になります。

※エンゲージではDLC内でしか出てこないチキさん
【ここいいな! と思った点のメモ】
ということで、今回はFEエンゲージを遊んで気付いた点や
個人的にいいなあと思ったところを挙げさせていただきます。
良い配慮の話などは、前作までにあったとしても
まるで初めてかのように述べていきますのでご容赦ください。
過去作の細かい仕様と比較できるほどにはやりこんでなかったり忘れたりしているので!
あと、まだそんなに遊べていないので
これらの内容は第一印象によるものだと思ってください。
遊び込んでいくと最初は良かった点が逆に悪い点に変わることもあると思います。
◆1. エンゲージシステム(固有能力追加装備)の
戦闘面の面白さへの貢献がすごい
今作の目玉となる新システムとして、キャラに強力な固有能力を
付けられる指輪を装備させられる『エンゲージシステム』が搭載されました。
(なお、ゲーム内ではガチャして引けるミニ指輪みたいなのもありますが、
この記事内では「指輪」といったときはエンゲージ可能な
紋章士の指輪のみを指すものとします)
<前提 エンゲージシステムとは?>
前提として、エンゲージできる指輪は最初は数個しかなく、
指輪を付けたキャラは以下の特典を得られます。
- 指輪を付けてるだけで能力補正や、方向性が大きく異なる固有能力を色々得られる。
- ゲージが最大までたまっていると好きなタイミングで
『エンゲージ』状態に変化でき、3ターン持続する。ゲージは戦闘で増える。
- エンゲージ中は指輪別のエンゲージ中専用の固有能力が発揮され、
さらに専用武器を使えるようになったり、必殺技が使える(1エンゲージ中1発まで)。
専用武器はなんとクラスが一致してなくても使える(!)。
- 指輪を付けて経験を重ねると、特殊能力の効果が上昇 &
クラスチェンジ先が広がる & 特定ポイントを払ってそれら能力の一部を習得可能になる。
(といってもタイミングの問題でスキル習得機能は今のところあまり使えてないです)
具体的にどんな指輪があるかというと、たとえば序盤に手に入る指輪3つだけでも、
「エンゲージ中に剣を装備していると回避率が合計+40%以上にできる指輪」
「10マス先の敵付近にワープ+魔法攻撃できる必殺技が使える指輪」
「エンゲージ中に移動力+5できる上に行動後にさらに
2マス動ける指輪(基本の移動力は4~6なのに!)」
のように、古いFEから考えるとほぼルール破壊級の能力が使えてしまいます!
また、エンゲージ状態は3ターンしか維持できないというのもいい長さで、
「短すぎることはないけど無思考に発動するといざというとき困る」
くらいの時間設定となっています。
1エンゲージ1回の必殺技も強そうに見えて破壊力の面では
強すぎないよう調整されている印象で、
どちらかというと『便利さ』を上げる効果の方が大きそうです。
このあたりの肌感覚は、バランス調整面でも学ぶところが大きい部分です。
威力がそんなに上がらなくても、便利さが強烈に上がると必殺技感が出せる!
<エンゲージシステムの強み1 好きなキャラをたくさん活躍させられる>
ここから本題です。このシステムだと
「同じレベル同士のユニット」なら指輪を付けているキャラが
実質ほぼエース的存在になるのですが、ライトに遊ぶ人間視点の
嬉しい点として「好きなキャラを選んで機能強化できる」という点がとてもよかった!
というのも、このエンゲージシステム、キャラクター重視のFEにおいて、
「自分の好きなキャラをいっぱい活躍させてあげたい」
という願いを直接叶えてくれるので、その点が特にすばらしいと感じたんですよ!
これまではFEでは「レベルを優先して上げまくれば強いよ」
「貴重な強化アイテムを使ってパワーアップできるよ」
「クラスチェンジが自由」などのお気に入りキャラ強化・カスタム要素がありましたが、
そのどれも一定のリソースや特別な労力を支払う必要がありました。
が、今回のはリソースさえ必要なくただ指輪を渡すという選択をすれば
その瞬間に一定量強くなる! ラク!
特に、どのキャラも精一杯個性付けされていて、
お気に入りキャラが人によって変わりそうなFEにおいては
非常によく合うシステムだという印象がありました。
『せっかく買ったゲームなんだから、好きなキャラをいっぱい活躍させたい!』
という心の奥底の需要に非常にマッチしたシステムで、自分自身、
「好きキャラをいっぱい活躍させられると遊ぶ側としてこんなに嬉しいんだ!」
という感覚をこれまで以上に味わえました。
なお私は中級者なので難易度はノーマルです。
私の場合は新キャラが加入したとき、
「キャラ的な好き度2割+能力8割」で評価してキャラをベンチ行きにするか
育てるかを判断するのですが、指輪で底上げすれば「好き度」で選べる確率が
5割以上に上がるため、珍しく「好き」で遊ばせてくれやすいという喜びがありました。
(でもアンナさんはとてもかわいかったのに斧持ち適正的に
ナチュラル筋肉ブシュロンさんの能力値の方が明らかに向いてそうだったので
アンナさんはベンチ入りになりました。体格が低いキャラ辛い)
<エンゲージシステムの強み2 組み合わせ次第で戦術の広がり方がすごい>
また、攻略を色々考えたいという人にも、
エンゲージシステムによって従来以上に戦術考察の幅が出そうなのがすごい!
かつ、指輪を着けるキャラによって戦術の変わり幅が大きいので、
人によって違う攻略方法が見られる期待が従来作より大きいのも良い点です。
特にこの点は動画配信への効用が大きい感じがしていて、
本作は『今の時代に適応すべく進化を目指したFE』といっていいかもしれません。
というのも、序盤の3つの指輪でさえ、付け替え先を変えれば、
・砦にこもってエンゲージしてレイピア装備で普通に回避100%突破するアーチャーやシーフ
・エンゲージ中に魔法が使えてしまったり10マス先の敵付近にワープする夢のアーマーナイト
・移動力が元は4なのにエンゲージ中は移動力9になる超速アーマーナイト
みたいなキャラが容易に作れちゃうんですよ! アーマーナイトの夢が広がる!
もちろん指輪の数は少ないので、ありきたりなキャラに付けた方が
有利な場面も多いはずですが、一方で
「え、そのキャラにその指輪を付けるとこのマップでそんな攻略ができるの!?」
みたいな組み合わせが色々ありそうだと感じられるので、
『攻略パターンを編み出すワクワク感』が従来作に比べて格段に大きくなっています。
こんな感じで、SRPG系のゲームにこういった
『任意のキャラに強力な固有能力をつけられる機能』を付けられるのは、
私が想像していた以上に『自分の好きなキャラを活躍させたい』派や
『意外な攻略法を見いだしたい』派、『他人の攻略も知りたい』派など、
色んな人の楽しさを呼び起こせるんだなあ! という印象がありました。
うちでも、仮にSRPGを作るならシルフェイドシリーズから
『トーテム』(宿すと強くなる精霊)をシステム化しようかなと
考えていたことがありましたが、このエンゲージシステムほど強くしたり、
付け替えできるようにしようとは思っていなかったので、目からウロコが落ちました。
「後付けの固有能力をここまで強くしてもゲームとして成立するんだ!」
(もちろん他のシステムによるサポートやバランス調整もあってこそだけど!)
という具体例が味わえて、今回は非常に勉強になりました。
もちろん、それを活かすには考え抜かれたマップや敵配置も重要なはずです。
今回もFEと聞いて、
『ストーリー上で与えられたキャラ戦力を活用してうまいこと戦う』
というほぼいつも通りの遊びしか期待してなかった身ですが、
戦闘面においてはエンゲージシステムによって
「付けるキャラを変えるだけで戦術が変わる」という化学反応による期待以上の楽しみや、
これまで以上にプレイヤーの「好き度」でキャラを選びやすくなった点、
さらには他の人の攻略法も知りたくなるという、非常に良いシステムだったように思います。
ちなみにうちの序盤は、指輪は最初に持っていたキャラに
ほぼそのまま使わせてましたが、エンゲージ中に移動力が超上がる指輪だけは
元のキャラから外してペガサスナイトの人に持たせていました。
これもありきたりの発想ではありますが、
『移動力が倍になったペガサスナイトは地形を無視して救援できるのできっと強い
(し、再移動させれば弱点である弓兵の射程からも逃れやすい)』理論です。
極端な能力が付くゆえに、こういった「オレ理論」を実現しやすいのがとてもいい!
序盤からもらえるのが戦術を大きく左右する強烈な効果の指輪なのも、
出す順番としてよく考えられていると思います。
<まとめ 固有能力追加システムは多方面への面白さの寄与度が大きい>
これまでの要素をまとめると、エンゲージシステムは
『ライト層は好きなキャラを従来よりもっと活躍させやすくなった』
『ハードコア層にはこれまで以上に戦術考察の幅が広がる』
『動画実況時代においてもプレイヤーごとの個性が出しやすい』
という点で、個性豊かなキャラクターが登場するこのゲームにおいては、
幅広いプレイヤーが幸せになれそうな機能だと感じました。
『ユニットを選んで強力な固有能力を後付けできるシステム』は
とても楽しいということが分かったので、もし今後私がSLGを作るとしたら、
そういった選択肢も一考すると思います。
といいますか、多キャラゲーならSLGに限らず有用そうな感じがしますね!
◆2.攻め側が有利になるブレイクシステム+チェインアタック搭載、
クラスの尖り方の調整で色んなキャラを使う利点が増えた
次は基本戦闘システム周りへの改善のお話です。
上記項目名が詰め込みすぎですが、これらひとまとめで「攻め有利」と
「色んなキャラを使う利点アップ」の両方に絡んだ調整だったのでまとめてお話しします。
<ブレイクシステムとチェインアタックで従来のバランス問題を解消>
育成可能なSRPGだと、バランス次第では
「ものすごく強いユニット1体がいれば多少の相性不利なんて
ものともせずに敵を反撃で倒せるじゃーん」という状況が出てくることがあります。
過去作のFEでは実際そうなりやすい作品がいくつかあり、
「相性が悪い相手が来ようが1キャラで大量の敵を抱えたり
反撃で倒しまくれるのはゲームバランス的にどうなの」
とほんのり物議をかもすことがありました。
FEは基本的に、囲まれたり1ターン中に大量の攻撃を受けたからといって
弱くなったりはしないゲームなのです。
ですが今回のFEエンゲージでは、
守り側で弱点を突かれた場合のペナルティが大きくなっており、
『守り側のとき、相性の悪い武器で攻撃を受けると
<今の戦闘と次の戦闘で>一切の反撃ができなくなる』
という【ブレイクシステム】が追加されました。
強さと関係なく敵を一時無力化できますし、こちらだって一時無力化されます。
また重要な点として、「攻め側」のときは相性の悪い武器で反撃を受けてもブレイクされません。
ついでに歩兵系の職業がよく持っている『連携』能力を持ったキャラに
囲まれていると、他キャラから攻撃を受けた際に
『どんなに回避率・守備が高くても80%の確率で受け側の
最大HPの10%分(端数切捨)の支援ダメージを受ける』
という【チェインアタック】も新たに搭載されました。
連携キャラがたくさんいればその回数だけ喰らいます。
序盤は敵からチェインアタックを受けても
1体あたり2~3ダメージしか追加ダメージを受けないので、
一見するとあまり脅威に見えません。
この2つの機能の搭載で何が起きたかというと、
いくら完璧そうな防御能力を持ったキャラでも、
一定以上の敵を抱えるとキャラがやられる可能性が高くなりました。
具体的には、まず「不利な武器で攻撃されてブレイクされ」→
「反撃不能になったところを他の敵から攻撃され」→
「囲まれた状態で攻撃を受けることで1回ごとに『連携』持ちの敵の数だけ
守備回避無視のチェインアタックを受ける」ので、
ザツに置いて囲まれればどんな守護神でもジリジリHPを削られて落ちるのです。
5体くらいの敵でも全員が歩兵系なら、
1~2体がまぐれ当たりして自HPが残り5割以下にされたら
あとは1発10%の連携ダメージが1発分→2発分→3発分と積み上がっていくだけで
トドメをさされる確率がかなり高くなるのが分かると思います。
これだと「無思考に強キャラ1体で大量に敵を集めて反撃で一定数の敵を削る」
というザツ戦法は基本的にやりにくくなるため、
「なるべく囲まれず、接敵したらみんなで一気に攻め込んで
近い敵をなるべく最高効率で一掃する」というプレイが
これまで以上に求められるようになります。
チェインアタックは、一見そんな脅威ではないのに
たくさんの敵を抱えようとすると急に牙を剥き始めます。
普段はストレスになりにくいのに
油断すると危なくなるこのバランス感覚は見習いたい点ですね!
そしていくつかのFE過去作とFEエンゲージを遊んだ身としては、
これらのシステムの追加やクラスの個性付けによって、
『FEとしての基礎部分をほぼ変えずに今になってこんな調整ができるんだ!?』
と、その手腕に驚いていました。
もちろん、今の完成形になるまでにはたくさんの試行錯誤があったに違いありません。
最終的成果物として「『前作からの延長』としてほぼそのまま受け入れられるほどに
シンプルに新機能がまとめられているのに従来の問題点が解消されている」のは、
一開発者の視点だとただ『巧い!』の一言でした。
<強みの強化と弱みを突く能力の搭載、そして差別化>
今回はユニットの強みを増しつつ、別ユニットにはその強みを打ち消す能力も追加する、
という感じで、部分的にユニットごとの尖り具合を増やしつつ、
アンチユニット的存在の立ち位置が増しているのもよかったです。
たとえばアーチャーやシーフは「隠密」という能力が付けられており、
自分のいる場所の地形効果が2倍になるというだいぶブッ飛んだ効果があります。
例として、地形の「茂み」や「砦」では回避率+30%の補正を得られます。
2倍になるとなんと+60%です!
地形に立てこもった「速さ」の高いアーチャーやシーフなんて
攻撃が当たらなくて倒せないだろグヘヘ! と思えます。
が、ちゃんと対策もできるようになってて、
マージなど攻撃系の魔法使い職は『魔導』という能力を持っており、
「魔法攻撃時に地形効果を無視して攻撃できる」ようになっています。
つまり砦に立てこもったアーチャーでも、マージなら蹂躙できるのです。
他にも、アーマーナイト系は「ブレイクを受けない」という能力を得て
壁役として従来以上に強くなり、ノーマル難易度のザコ敵からの
物理攻撃に対してはほぼ無敵に近く、本当の意味でアーマーらしさを得ています。
あと移動力が通常歩兵と同じになったのも大きく、
進軍ペースを合わせられるようにもなりました。
ただアーマーナイト系は魔法耐性が低いので、
できれば敵の魔法ユニットだけでも先に何とか倒したくなります。
「弱点を突いてくる敵を優先的に倒せば強みだけ押しつけられるぜ!」
という工夫もここに生まれます。
こんな風に、
『一部に対してほぼ無敵になれる強みを持つが、それを貫ける職業が用意されている』
という形で職業ごとの尖り具合や有利不利の度合いが
全体的に強化されており、この点もまた、『自軍に色んな職業を採用する動機』に
なっているのが面白さアップにつながっている印象でした。
仮に少数で編成するにしても、相性面で敵の守りを突破できる程度には
兵種をそろえた方が有利になるのです。
さっきのチェインアタックも使いこなせば、さらに人員の多さが活きてきます。
他にも、ここでは述べきれませんが職業面やアイテム面の細かい部分で、
従来うまく差別化できてない部分を上手に差別化し直している印象があり、
そういった調整も評価が高かった点です。
(回復職と攻撃系魔法使いの上位職がほぼ同じだったのを
前述の地形効果無視の有無で強く差別化しているとか、
重い武器に必ず後攻&1マス押し出し効果が付いたとか)
<これらの調整の結果として、多くのキャラに出番が生まれている>
従来のFEは「攻撃力と回避率が超高い剣士や魔法使い」など、
強いキャラはだいたい誰に対しても強かったのが、今作はシステム的に
その強さを丸くされて「数や種類の優位」が活きる形になったので、
それぞれのキャラにこれまで以上の出番が生まれるようになりました。
『攻め』が有利になる都合上、数キャラだけを強化するプレイよりも、
1ターンの「手数」がしっかり必要になり、「キャラ数の多さ」も重要になってくるのです。
何なら、「ブレイクするためだけに初期レベルのキャラが
敵を殴りに行くと活躍できる状況」だって生まれるわけです。
といいますか、私のプレイで実際にありました。
当たって1ダメージでも通ればブレイクさせられるのでレベル1でも反撃は受けませんし、
続く攻撃者1人は安全に攻撃可能になるので、
レベル1キャラでもしっかり次に繋げられるのです。
「次の戦闘が終わるまで反撃できない」というブレイクシステムの
大胆なペナルティも、こう見るとよく考えられています。
他にも、チェインアタックのために敵の横に『連携』持ちレベル1軍団を
置くだけでも活躍できます。チェインアタックの「10%固定ダメージ」という設定は
弱いキャラも活かせる上に、ダメージが通らないほど堅い敵にも
ダメージを与えられる手段になっていて渋アツい設定です。
こんな風に下地のシステムはまったく同じように見せつつ、
数個のシステム追加やクラスの特性を使ってこれらの
抜本改革をおこなっている点は「すげぇ!!」の一言です。
そしてまた、こういう改善が『素の』FEからの面白さアップに
繋げられているというのも、自分の未来のSRPG作りについて学ぶべき点だと感じました。
『数キャラで無双する』のも楽しいのは楽しいのですが、
今作でおこなわれた大きな変更は
『戦術シミュレーションゲームとしては色んなキャラをうまく使うと有利になる方が面白いよね』
という『意図』による調整だったと感じています。
これは職業の差別化しなおしだけでなく、
そもそも『攻め』有利な形にしないとたぶん実現しにくい部分です。
そしてこの「色んなキャラをうまく使うと有利」という『意図』、
言われてみればSLG的に当然の話なのですが、
これまでのFEを遊んでいても私では言語化できなかった部分でした。
つまり、SLG開発未挑戦の私は、うっかりすると自分の未来の開発で
取りこぼしかねなかったり、気付くのが遅れる可能性がある部分だったのです。
将来のSLG作りのためにも、伝統的なSRPGの面白さを上げる1つの『意図』として、
この点はよく覚えておきたい部分です。
ただ、育成対象を好きに選べるゲームで
これを実現しきるのはかなり難しい課題だと思います。
それをシステム的に強キャラの活躍を丸くしつつ職業特性を尖らせつつ
ステージ構成も込みでうまく実現しているのが今作エンゲージ! なのだと思います。
以上の面で、今作はFEとして戦闘面が非常によく練り直されており、
「生まれ変わっている」と言ってよいものに仕上がっていると感じました。
何度も言いますが、『これまでと一見あまり変わらないように見せつつうまく改善している』
のが作り手視点で見ると巧い! この手腕は素晴らしいと感じます。
◆3.いちいち別画面を開かずともマップ画面だけで
多くの情報把握ができる
ここからは「遊びやすさ」の話です。
この項は「マップ画面だけでも攻めるための情報が
色々分かるようになってると遊びやすくていいよね!」という話なのですが、
今作はこれまでの機能改善の積み重ねで、
マップ画面や、移動先を選択する時の細かいインターフェースがとても便利でした。
インターフェース自体は優劣が明白になりやすい点なので、
FEエンゲージで採用されている以下のような点だけでも、
自分がターン制のグリッド式SRPGを作るときは注意すべき点だと感じます。
<移動先として敵の攻撃範囲内を選んだら、
敵から赤線の弧が出て攻撃範囲に入ったことが分かる>
最近では普通になった機能かもしれませんが、
移動先を選ぶ際に、敵の攻撃範囲に入ったか否かが
分かりやすく表現されています。
初期のFEでは敵の移動マス数を手で数えて
範囲内に入っているかを調べなければならない時代もありましたが、
作品が進むごとに親切になり、今の形は非常に直感的になっていると感じます。
さすがに今回は敵が攻撃しようとしている味方キャラを教えてはくれませんが、
攻撃範囲内かどうかが分かるだけで十分すぎる感じでした。
<戦闘後の敵のHP減少量が分かる>
ユニットの移動先を選ぶ際、カーソル(あるいはキャラ)を動かして
敵付近に持って行くだけで敵のHPゲージが光り、
「このマスから攻撃した場合はこの敵のHPがこれだけ減るよ」
というゲージ減少幅を表示してくれます、非常に親切!
これにより、カーソルを動かすだけで今とどめを刺せる相手がどれか、
すぐに分かります。もう敵を選んで一体一体戦闘シミュレーション情報を
いちいち見て判断する必要はないんだ!
といっても命中率がシビアになると確実に倒せなくなるので、
そんなに単純な話ではなくなります。
ですが、補助情報として各ユニットの命中・回避率をマップの
敵味方ユニット上に表示可能になっており、そこも手抜かりがありません。
<アイテムを持っている敵にはアイコンが出る。
状態異常や一時強化中でもアイコンが付く>
今作は、マップ上の敵に色々便利な情報アイコンが付いています。
「敵がこっそりアイテム持ってるー! ステータスを開かなくても分かるようにしてくれよー!!」
と以前からすごく思っていたので、アイコンでアイテム持ちを
表示してくれるこの配慮はうれしい点でした。個人的には、
もし高難易度でザコ敵までスキル持ちになるようだったら
そういうスキルマークがマップ上で出てくれてもいいまでありますが、
あまりに多いと邪魔かも。
何はともあれ、敵のステータスを全部開いてスキルを
全部確認しながら進軍するのは大変ですし、
そのチェック作業自体は面白さに寄与しにくい部分なので、
もうこの確認作業が必要なSLGは配慮の面では
前時代的なものになりつつあるのではないかと思います。
他にも述べられてない工夫はいっぱいありますが、こんな感じに
詳細情報を確認する手間を減らせるようなインターフェースの配慮は
ぜひ積極的に学んでいきたい部分です。
理想を言えば「マップ画面だけで進軍するために必要な
ほとんどの情報が分かる」といいのですが、多すぎると見にくいので、
見せる情報の取捨選択は、作る側としてはいつも悩みますね。
【まとめ】
ということで第一印象の範囲で色んな面で言いたいことだけ
言わせていただきましたが、まとめると以下の通りです。
◆ユニットを選んで強力な固有能力を後付けできるエンゲージシステムは、
『好きなキャラをたくさん活躍させたいライト層』、
『戦術を練りたいハードコア層』、『攻略にプレイヤーごとの個性を求める動画実況勢』
など幅広い層の満足度が増やせそう。
→ 限られたキャラに「職業と無関係に強力な固有能力を追加できるシステム」は、
FEでなくとも色んなゲームシステム上で面白さに貢献できる仕組みのような感じがします。
◆ブレイクシステムとチェインアタックの搭載によって『攻め』が有利になり、
強みの部分の強化や対抗ユニット化を含めた職業の個性付けの
調整によってFE過去作でときどき定石になってた
『数人だけを超強化する方針』では戦いにくくなった。
結果として『色んなキャラを使った方が強い』というSLG的楽しさが増した。
→ 『色んなキャラを使った方が強くなるよ』というシステム面の誘導は、
伝統的SRPG作るときは特に注意しようと思いました。
育成の自由度が高いゲームだと実現がかなり難しそうですけれど!
◆マップ画面や移動先選択時にもより多くの必要な情報が分かるようになり、
いちいち敵詳細をチェックする負担が減って遊びやすさがアップ!
→ こういう、プレイコストを減らしつつ判断がしやすくなる配慮は
もう遠慮なく全力で吸収していきたいです。
【終わりに】
以上、感じた点をちらちらメモしてみましたがいかがだったでしょうか。
たぶんガチレビューされている方に比べればざっくりな内容だと思いますが、
開発において大事そうな意図もいくつか整理できたように思います。
ゲームシステムは基本的に1作品あたり完成品の1つしか見てもらえないので
自分だけでは経験値が溜まりにくく、シリーズを経て変わった部分の
「改善意図」や「具体策」の組み合わせを外から
ほんの一部でも学ぶことには大きな意味があります。
特に『配慮』の面に関しては年々進歩していく部分なので、
定期的に最新の『配慮』に触れて感覚を磨いていきたいですね!
ゲームの中でも、インターフェースは好みよりも「優劣」がつけられやすい点ですから
ここはもう必死で最先端に追いついていかねばならないと考えています。
SRPGも1本くらい作りたいなあ!
『シルフェイド幻想譚』みたいに攻略順が好きに選べて
時間とともに世界の状況が変わっていくSRPGとかいかがですか?
というわけで刺激もいただいたので、以後も空いた時間で
FEエンゲージの攻略を進めつつ、自分の開発もがんばっていきます!
といってもいまだに毎日とか隔日でウディタを更新し続けているので、
まだしばらくはウディタ修正が必要かもしれません。
どうなるにせよ、やれることをやれるペースで進めていきます! がんばるぞー!
今回は『ファイアーエムブレム エンゲージ』(以下FEエンゲージ)という
2023年1月20日発売の最新のゲームを遊ばせていただいたので、
ゲーム開発にかかわりそうな、勉強になった点の自分用メモを残しておきます。
やっぱり最新のゲームには最新の配慮があったり、
従来作と比べた工夫がいっぱいあったりしてすごく勉強になります。

※エンゲージではDLC内でしか出てこないチキさん
【ここいいな! と思った点のメモ】
ということで、今回はFEエンゲージを遊んで気付いた点や
個人的にいいなあと思ったところを挙げさせていただきます。
良い配慮の話などは、前作までにあったとしても
まるで初めてかのように述べていきますのでご容赦ください。
過去作の細かい仕様と比較できるほどにはやりこんでなかったり忘れたりしているので!
あと、まだそんなに遊べていないので
これらの内容は第一印象によるものだと思ってください。
遊び込んでいくと最初は良かった点が逆に悪い点に変わることもあると思います。
◆1. エンゲージシステム(固有能力追加装備)の
戦闘面の面白さへの貢献がすごい
今作の目玉となる新システムとして、キャラに強力な固有能力を
付けられる指輪を装備させられる『エンゲージシステム』が搭載されました。
(なお、ゲーム内ではガチャして引けるミニ指輪みたいなのもありますが、
この記事内では「指輪」といったときはエンゲージ可能な
紋章士の指輪のみを指すものとします)
<前提 エンゲージシステムとは?>
前提として、エンゲージできる指輪は最初は数個しかなく、
指輪を付けたキャラは以下の特典を得られます。
- 指輪を付けてるだけで能力補正や、方向性が大きく異なる固有能力を色々得られる。
- ゲージが最大までたまっていると好きなタイミングで
『エンゲージ』状態に変化でき、3ターン持続する。ゲージは戦闘で増える。
- エンゲージ中は指輪別のエンゲージ中専用の固有能力が発揮され、
さらに専用武器を使えるようになったり、必殺技が使える(1エンゲージ中1発まで)。
専用武器はなんとクラスが一致してなくても使える(!)。
- 指輪を付けて経験を重ねると、特殊能力の効果が上昇 &
クラスチェンジ先が広がる & 特定ポイントを払ってそれら能力の一部を習得可能になる。
(といってもタイミングの問題でスキル習得機能は今のところあまり使えてないです)
具体的にどんな指輪があるかというと、たとえば序盤に手に入る指輪3つだけでも、
「エンゲージ中に剣を装備していると回避率が合計+40%以上にできる指輪」
「10マス先の敵付近にワープ+魔法攻撃できる必殺技が使える指輪」
「エンゲージ中に移動力+5できる上に行動後にさらに
2マス動ける指輪(基本の移動力は4~6なのに!)」
のように、古いFEから考えるとほぼルール破壊級の能力が使えてしまいます!
また、エンゲージ状態は3ターンしか維持できないというのもいい長さで、
「短すぎることはないけど無思考に発動するといざというとき困る」
くらいの時間設定となっています。
1エンゲージ1回の必殺技も強そうに見えて破壊力の面では
強すぎないよう調整されている印象で、
どちらかというと『便利さ』を上げる効果の方が大きそうです。
このあたりの肌感覚は、バランス調整面でも学ぶところが大きい部分です。
威力がそんなに上がらなくても、便利さが強烈に上がると必殺技感が出せる!
<エンゲージシステムの強み1 好きなキャラをたくさん活躍させられる>
ここから本題です。このシステムだと
「同じレベル同士のユニット」なら指輪を付けているキャラが
実質ほぼエース的存在になるのですが、ライトに遊ぶ人間視点の
嬉しい点として「好きなキャラを選んで機能強化できる」という点がとてもよかった!
というのも、このエンゲージシステム、キャラクター重視のFEにおいて、
「自分の好きなキャラをいっぱい活躍させてあげたい」
という願いを直接叶えてくれるので、その点が特にすばらしいと感じたんですよ!
これまではFEでは「レベルを優先して上げまくれば強いよ」
「貴重な強化アイテムを使ってパワーアップできるよ」
「クラスチェンジが自由」などのお気に入りキャラ強化・カスタム要素がありましたが、
そのどれも一定のリソースや特別な労力を支払う必要がありました。
が、今回のはリソースさえ必要なくただ指輪を渡すという選択をすれば
その瞬間に一定量強くなる! ラク!
特に、どのキャラも精一杯個性付けされていて、
お気に入りキャラが人によって変わりそうなFEにおいては
非常によく合うシステムだという印象がありました。
『せっかく買ったゲームなんだから、好きなキャラをいっぱい活躍させたい!』
という心の奥底の需要に非常にマッチしたシステムで、自分自身、
「好きキャラをいっぱい活躍させられると遊ぶ側としてこんなに嬉しいんだ!」
という感覚をこれまで以上に味わえました。
なお私は中級者なので難易度はノーマルです。
私の場合は新キャラが加入したとき、
「キャラ的な好き度2割+能力8割」で評価してキャラをベンチ行きにするか
育てるかを判断するのですが、指輪で底上げすれば「好き度」で選べる確率が
5割以上に上がるため、珍しく「好き」で遊ばせてくれやすいという喜びがありました。
(でもアンナさんはとてもかわいかったのに斧持ち適正的に
ナチュラル筋肉ブシュロンさんの能力値の方が明らかに向いてそうだったので
アンナさんはベンチ入りになりました。体格が低いキャラ辛い)
<エンゲージシステムの強み2 組み合わせ次第で戦術の広がり方がすごい>
また、攻略を色々考えたいという人にも、
エンゲージシステムによって従来以上に戦術考察の幅が出そうなのがすごい!
かつ、指輪を着けるキャラによって戦術の変わり幅が大きいので、
人によって違う攻略方法が見られる期待が従来作より大きいのも良い点です。
特にこの点は動画配信への効用が大きい感じがしていて、
本作は『今の時代に適応すべく進化を目指したFE』といっていいかもしれません。
というのも、序盤の3つの指輪でさえ、付け替え先を変えれば、
・砦にこもってエンゲージしてレイピア装備で普通に回避100%突破するアーチャーやシーフ
・エンゲージ中に魔法が使えてしまったり10マス先の敵付近にワープする夢のアーマーナイト
・移動力が元は4なのにエンゲージ中は移動力9になる超速アーマーナイト
みたいなキャラが容易に作れちゃうんですよ! アーマーナイトの夢が広がる!
もちろん指輪の数は少ないので、ありきたりなキャラに付けた方が
有利な場面も多いはずですが、一方で
「え、そのキャラにその指輪を付けるとこのマップでそんな攻略ができるの!?」
みたいな組み合わせが色々ありそうだと感じられるので、
『攻略パターンを編み出すワクワク感』が従来作に比べて格段に大きくなっています。
こんな感じで、SRPG系のゲームにこういった
『任意のキャラに強力な固有能力をつけられる機能』を付けられるのは、
私が想像していた以上に『自分の好きなキャラを活躍させたい』派や
『意外な攻略法を見いだしたい』派、『他人の攻略も知りたい』派など、
色んな人の楽しさを呼び起こせるんだなあ! という印象がありました。
うちでも、仮にSRPGを作るならシルフェイドシリーズから
『トーテム』(宿すと強くなる精霊)をシステム化しようかなと
考えていたことがありましたが、このエンゲージシステムほど強くしたり、
付け替えできるようにしようとは思っていなかったので、目からウロコが落ちました。
「後付けの固有能力をここまで強くしてもゲームとして成立するんだ!」
(もちろん他のシステムによるサポートやバランス調整もあってこそだけど!)
という具体例が味わえて、今回は非常に勉強になりました。
もちろん、それを活かすには考え抜かれたマップや敵配置も重要なはずです。
今回もFEと聞いて、
『ストーリー上で与えられたキャラ戦力を活用してうまいこと戦う』
というほぼいつも通りの遊びしか期待してなかった身ですが、
戦闘面においてはエンゲージシステムによって
「付けるキャラを変えるだけで戦術が変わる」という化学反応による期待以上の楽しみや、
これまで以上にプレイヤーの「好き度」でキャラを選びやすくなった点、
さらには他の人の攻略法も知りたくなるという、非常に良いシステムだったように思います。
ちなみにうちの序盤は、指輪は最初に持っていたキャラに
ほぼそのまま使わせてましたが、エンゲージ中に移動力が超上がる指輪だけは
元のキャラから外してペガサスナイトの人に持たせていました。
これもありきたりの発想ではありますが、
『移動力が倍になったペガサスナイトは地形を無視して救援できるのできっと強い
(し、再移動させれば弱点である弓兵の射程からも逃れやすい)』理論です。
極端な能力が付くゆえに、こういった「オレ理論」を実現しやすいのがとてもいい!
序盤からもらえるのが戦術を大きく左右する強烈な効果の指輪なのも、
出す順番としてよく考えられていると思います。
<まとめ 固有能力追加システムは多方面への面白さの寄与度が大きい>
これまでの要素をまとめると、エンゲージシステムは
『ライト層は好きなキャラを従来よりもっと活躍させやすくなった』
『ハードコア層にはこれまで以上に戦術考察の幅が広がる』
『動画実況時代においてもプレイヤーごとの個性が出しやすい』
という点で、個性豊かなキャラクターが登場するこのゲームにおいては、
幅広いプレイヤーが幸せになれそうな機能だと感じました。
『ユニットを選んで強力な固有能力を後付けできるシステム』は
とても楽しいということが分かったので、もし今後私がSLGを作るとしたら、
そういった選択肢も一考すると思います。
といいますか、多キャラゲーならSLGに限らず有用そうな感じがしますね!
◆2.攻め側が有利になるブレイクシステム+チェインアタック搭載、
クラスの尖り方の調整で色んなキャラを使う利点が増えた
次は基本戦闘システム周りへの改善のお話です。
上記項目名が詰め込みすぎですが、これらひとまとめで「攻め有利」と
「色んなキャラを使う利点アップ」の両方に絡んだ調整だったのでまとめてお話しします。
<ブレイクシステムとチェインアタックで従来のバランス問題を解消>
育成可能なSRPGだと、バランス次第では
「ものすごく強いユニット1体がいれば多少の相性不利なんて
ものともせずに敵を反撃で倒せるじゃーん」という状況が出てくることがあります。
過去作のFEでは実際そうなりやすい作品がいくつかあり、
「相性が悪い相手が来ようが1キャラで大量の敵を抱えたり
反撃で倒しまくれるのはゲームバランス的にどうなの」
とほんのり物議をかもすことがありました。
FEは基本的に、囲まれたり1ターン中に大量の攻撃を受けたからといって
弱くなったりはしないゲームなのです。
ですが今回のFEエンゲージでは、
守り側で弱点を突かれた場合のペナルティが大きくなっており、
『守り側のとき、相性の悪い武器で攻撃を受けると
<今の戦闘と次の戦闘で>一切の反撃ができなくなる』
という【ブレイクシステム】が追加されました。
強さと関係なく敵を一時無力化できますし、こちらだって一時無力化されます。
また重要な点として、「攻め側」のときは相性の悪い武器で反撃を受けてもブレイクされません。
ついでに歩兵系の職業がよく持っている『連携』能力を持ったキャラに
囲まれていると、他キャラから攻撃を受けた際に
『どんなに回避率・守備が高くても80%の確率で受け側の
最大HPの10%分(端数切捨)の支援ダメージを受ける』
という【チェインアタック】も新たに搭載されました。
連携キャラがたくさんいればその回数だけ喰らいます。
序盤は敵からチェインアタックを受けても
1体あたり2~3ダメージしか追加ダメージを受けないので、
一見するとあまり脅威に見えません。
この2つの機能の搭載で何が起きたかというと、
いくら完璧そうな防御能力を持ったキャラでも、
一定以上の敵を抱えるとキャラがやられる可能性が高くなりました。
具体的には、まず「不利な武器で攻撃されてブレイクされ」→
「反撃不能になったところを他の敵から攻撃され」→
「囲まれた状態で攻撃を受けることで1回ごとに『連携』持ちの敵の数だけ
守備回避無視のチェインアタックを受ける」ので、
ザツに置いて囲まれればどんな守護神でもジリジリHPを削られて落ちるのです。
5体くらいの敵でも全員が歩兵系なら、
1~2体がまぐれ当たりして自HPが残り5割以下にされたら
あとは1発10%の連携ダメージが1発分→2発分→3発分と積み上がっていくだけで
トドメをさされる確率がかなり高くなるのが分かると思います。
これだと「無思考に強キャラ1体で大量に敵を集めて反撃で一定数の敵を削る」
というザツ戦法は基本的にやりにくくなるため、
「なるべく囲まれず、接敵したらみんなで一気に攻め込んで
近い敵をなるべく最高効率で一掃する」というプレイが
これまで以上に求められるようになります。
チェインアタックは、一見そんな脅威ではないのに
たくさんの敵を抱えようとすると急に牙を剥き始めます。
普段はストレスになりにくいのに
油断すると危なくなるこのバランス感覚は見習いたい点ですね!
そしていくつかのFE過去作とFEエンゲージを遊んだ身としては、
これらのシステムの追加やクラスの個性付けによって、
『FEとしての基礎部分をほぼ変えずに今になってこんな調整ができるんだ!?』
と、その手腕に驚いていました。
もちろん、今の完成形になるまでにはたくさんの試行錯誤があったに違いありません。
最終的成果物として「『前作からの延長』としてほぼそのまま受け入れられるほどに
シンプルに新機能がまとめられているのに従来の問題点が解消されている」のは、
一開発者の視点だとただ『巧い!』の一言でした。
<強みの強化と弱みを突く能力の搭載、そして差別化>
今回はユニットの強みを増しつつ、別ユニットにはその強みを打ち消す能力も追加する、
という感じで、部分的にユニットごとの尖り具合を増やしつつ、
アンチユニット的存在の立ち位置が増しているのもよかったです。
たとえばアーチャーやシーフは「隠密」という能力が付けられており、
自分のいる場所の地形効果が2倍になるというだいぶブッ飛んだ効果があります。
例として、地形の「茂み」や「砦」では回避率+30%の補正を得られます。
2倍になるとなんと+60%です!
地形に立てこもった「速さ」の高いアーチャーやシーフなんて
攻撃が当たらなくて倒せないだろグヘヘ! と思えます。
が、ちゃんと対策もできるようになってて、
マージなど攻撃系の魔法使い職は『魔導』という能力を持っており、
「魔法攻撃時に地形効果を無視して攻撃できる」ようになっています。
つまり砦に立てこもったアーチャーでも、マージなら蹂躙できるのです。
他にも、アーマーナイト系は「ブレイクを受けない」という能力を得て
壁役として従来以上に強くなり、ノーマル難易度のザコ敵からの
物理攻撃に対してはほぼ無敵に近く、本当の意味でアーマーらしさを得ています。
あと移動力が通常歩兵と同じになったのも大きく、
進軍ペースを合わせられるようにもなりました。
ただアーマーナイト系は魔法耐性が低いので、
できれば敵の魔法ユニットだけでも先に何とか倒したくなります。
「弱点を突いてくる敵を優先的に倒せば強みだけ押しつけられるぜ!」
という工夫もここに生まれます。
こんな風に、
『一部に対してほぼ無敵になれる強みを持つが、それを貫ける職業が用意されている』
という形で職業ごとの尖り具合や有利不利の度合いが
全体的に強化されており、この点もまた、『自軍に色んな職業を採用する動機』に
なっているのが面白さアップにつながっている印象でした。
仮に少数で編成するにしても、相性面で敵の守りを突破できる程度には
兵種をそろえた方が有利になるのです。
さっきのチェインアタックも使いこなせば、さらに人員の多さが活きてきます。
他にも、ここでは述べきれませんが職業面やアイテム面の細かい部分で、
従来うまく差別化できてない部分を上手に差別化し直している印象があり、
そういった調整も評価が高かった点です。
(回復職と攻撃系魔法使いの上位職がほぼ同じだったのを
前述の地形効果無視の有無で強く差別化しているとか、
重い武器に必ず後攻&1マス押し出し効果が付いたとか)
<これらの調整の結果として、多くのキャラに出番が生まれている>
従来のFEは「攻撃力と回避率が超高い剣士や魔法使い」など、
強いキャラはだいたい誰に対しても強かったのが、今作はシステム的に
その強さを丸くされて「数や種類の優位」が活きる形になったので、
それぞれのキャラにこれまで以上の出番が生まれるようになりました。
『攻め』が有利になる都合上、数キャラだけを強化するプレイよりも、
1ターンの「手数」がしっかり必要になり、「キャラ数の多さ」も重要になってくるのです。
何なら、「ブレイクするためだけに初期レベルのキャラが
敵を殴りに行くと活躍できる状況」だって生まれるわけです。
といいますか、私のプレイで実際にありました。
当たって1ダメージでも通ればブレイクさせられるのでレベル1でも反撃は受けませんし、
続く攻撃者1人は安全に攻撃可能になるので、
レベル1キャラでもしっかり次に繋げられるのです。
「次の戦闘が終わるまで反撃できない」というブレイクシステムの
大胆なペナルティも、こう見るとよく考えられています。
他にも、チェインアタックのために敵の横に『連携』持ちレベル1軍団を
置くだけでも活躍できます。チェインアタックの「10%固定ダメージ」という設定は
弱いキャラも活かせる上に、ダメージが通らないほど堅い敵にも
ダメージを与えられる手段になっていて渋アツい設定です。
こんな風に下地のシステムはまったく同じように見せつつ、
数個のシステム追加やクラスの特性を使ってこれらの
抜本改革をおこなっている点は「すげぇ!!」の一言です。
そしてまた、こういう改善が『素の』FEからの面白さアップに
繋げられているというのも、自分の未来のSRPG作りについて学ぶべき点だと感じました。
『数キャラで無双する』のも楽しいのは楽しいのですが、
今作でおこなわれた大きな変更は
『戦術シミュレーションゲームとしては色んなキャラをうまく使うと有利になる方が面白いよね』
という『意図』による調整だったと感じています。
これは職業の差別化しなおしだけでなく、
そもそも『攻め』有利な形にしないとたぶん実現しにくい部分です。
そしてこの「色んなキャラをうまく使うと有利」という『意図』、
言われてみればSLG的に当然の話なのですが、
これまでのFEを遊んでいても私では言語化できなかった部分でした。
つまり、SLG開発未挑戦の私は、うっかりすると自分の未来の開発で
取りこぼしかねなかったり、気付くのが遅れる可能性がある部分だったのです。
将来のSLG作りのためにも、伝統的なSRPGの面白さを上げる1つの『意図』として、
この点はよく覚えておきたい部分です。
ただ、育成対象を好きに選べるゲームで
これを実現しきるのはかなり難しい課題だと思います。
それをシステム的に強キャラの活躍を丸くしつつ職業特性を尖らせつつ
ステージ構成も込みでうまく実現しているのが今作エンゲージ! なのだと思います。
以上の面で、今作はFEとして戦闘面が非常によく練り直されており、
「生まれ変わっている」と言ってよいものに仕上がっていると感じました。
何度も言いますが、『これまでと一見あまり変わらないように見せつつうまく改善している』
のが作り手視点で見ると巧い! この手腕は素晴らしいと感じます。
◆3.いちいち別画面を開かずともマップ画面だけで
多くの情報把握ができる
ここからは「遊びやすさ」の話です。
この項は「マップ画面だけでも攻めるための情報が
色々分かるようになってると遊びやすくていいよね!」という話なのですが、
今作はこれまでの機能改善の積み重ねで、
マップ画面や、移動先を選択する時の細かいインターフェースがとても便利でした。
インターフェース自体は優劣が明白になりやすい点なので、
FEエンゲージで採用されている以下のような点だけでも、
自分がターン制のグリッド式SRPGを作るときは注意すべき点だと感じます。
<移動先として敵の攻撃範囲内を選んだら、
敵から赤線の弧が出て攻撃範囲に入ったことが分かる>
最近では普通になった機能かもしれませんが、
移動先を選ぶ際に、敵の攻撃範囲に入ったか否かが
分かりやすく表現されています。
初期のFEでは敵の移動マス数を手で数えて
範囲内に入っているかを調べなければならない時代もありましたが、
作品が進むごとに親切になり、今の形は非常に直感的になっていると感じます。
さすがに今回は敵が攻撃しようとしている味方キャラを教えてはくれませんが、
攻撃範囲内かどうかが分かるだけで十分すぎる感じでした。
<戦闘後の敵のHP減少量が分かる>
ユニットの移動先を選ぶ際、カーソル(あるいはキャラ)を動かして
敵付近に持って行くだけで敵のHPゲージが光り、
「このマスから攻撃した場合はこの敵のHPがこれだけ減るよ」
というゲージ減少幅を表示してくれます、非常に親切!
これにより、カーソルを動かすだけで今とどめを刺せる相手がどれか、
すぐに分かります。もう敵を選んで一体一体戦闘シミュレーション情報を
いちいち見て判断する必要はないんだ!
といっても命中率がシビアになると確実に倒せなくなるので、
そんなに単純な話ではなくなります。
ですが、補助情報として各ユニットの命中・回避率をマップの
敵味方ユニット上に表示可能になっており、そこも手抜かりがありません。
<アイテムを持っている敵にはアイコンが出る。
状態異常や一時強化中でもアイコンが付く>
今作は、マップ上の敵に色々便利な情報アイコンが付いています。
「敵がこっそりアイテム持ってるー! ステータスを開かなくても分かるようにしてくれよー!!」
と以前からすごく思っていたので、アイコンでアイテム持ちを
表示してくれるこの配慮はうれしい点でした。個人的には、
もし高難易度でザコ敵までスキル持ちになるようだったら
そういうスキルマークがマップ上で出てくれてもいいまでありますが、
あまりに多いと邪魔かも。
何はともあれ、敵のステータスを全部開いてスキルを
全部確認しながら進軍するのは大変ですし、
そのチェック作業自体は面白さに寄与しにくい部分なので、
もうこの確認作業が必要なSLGは配慮の面では
前時代的なものになりつつあるのではないかと思います。
他にも述べられてない工夫はいっぱいありますが、こんな感じに
詳細情報を確認する手間を減らせるようなインターフェースの配慮は
ぜひ積極的に学んでいきたい部分です。
理想を言えば「マップ画面だけで進軍するために必要な
ほとんどの情報が分かる」といいのですが、多すぎると見にくいので、
見せる情報の取捨選択は、作る側としてはいつも悩みますね。
【まとめ】
ということで第一印象の範囲で色んな面で言いたいことだけ
言わせていただきましたが、まとめると以下の通りです。
◆ユニットを選んで強力な固有能力を後付けできるエンゲージシステムは、
『好きなキャラをたくさん活躍させたいライト層』、
『戦術を練りたいハードコア層』、『攻略にプレイヤーごとの個性を求める動画実況勢』
など幅広い層の満足度が増やせそう。
→ 限られたキャラに「職業と無関係に強力な固有能力を追加できるシステム」は、
FEでなくとも色んなゲームシステム上で面白さに貢献できる仕組みのような感じがします。
◆ブレイクシステムとチェインアタックの搭載によって『攻め』が有利になり、
強みの部分の強化や対抗ユニット化を含めた職業の個性付けの
調整によってFE過去作でときどき定石になってた
『数人だけを超強化する方針』では戦いにくくなった。
結果として『色んなキャラを使った方が強い』というSLG的楽しさが増した。
→ 『色んなキャラを使った方が強くなるよ』というシステム面の誘導は、
伝統的SRPG作るときは特に注意しようと思いました。
育成の自由度が高いゲームだと実現がかなり難しそうですけれど!
◆マップ画面や移動先選択時にもより多くの必要な情報が分かるようになり、
いちいち敵詳細をチェックする負担が減って遊びやすさがアップ!
→ こういう、プレイコストを減らしつつ判断がしやすくなる配慮は
もう遠慮なく全力で吸収していきたいです。
【終わりに】
以上、感じた点をちらちらメモしてみましたがいかがだったでしょうか。
たぶんガチレビューされている方に比べればざっくりな内容だと思いますが、
開発において大事そうな意図もいくつか整理できたように思います。
ゲームシステムは基本的に1作品あたり完成品の1つしか見てもらえないので
自分だけでは経験値が溜まりにくく、シリーズを経て変わった部分の
「改善意図」や「具体策」の組み合わせを外から
ほんの一部でも学ぶことには大きな意味があります。
特に『配慮』の面に関しては年々進歩していく部分なので、
定期的に最新の『配慮』に触れて感覚を磨いていきたいですね!
ゲームの中でも、インターフェースは好みよりも「優劣」がつけられやすい点ですから
ここはもう必死で最先端に追いついていかねばならないと考えています。
SRPGも1本くらい作りたいなあ!
『シルフェイド幻想譚』みたいに攻略順が好きに選べて
時間とともに世界の状況が変わっていくSRPGとかいかがですか?
というわけで刺激もいただいたので、以後も空いた時間で
FEエンゲージの攻略を進めつつ、自分の開発もがんばっていきます!
といってもいまだに毎日とか隔日でウディタを更新し続けているので、
まだしばらくはウディタ修正が必要かもしれません。
どうなるにせよ、やれることをやれるペースで進めていきます! がんばるぞー!
■ 2023/01/14 (土) 年始からウディタ修正!+ Switch移植処理速度比較 ■
【年始からウディタ修正!+Switch移植処理速度比較】
「よーし今年は『片道勇者2』の開発もやっていくぞー!」
と思っていたら年始のリアルイベントや引き続きウディタのバグ修正が盛りだくさんの状況で、
結局まだまだウディタの修正が作業時間の大半を占めています。

今回はウディタのこれまでの修正内容のうち、前回紹介時から追加修正された
「改善点」っぽい部分だけリストアップしてやってる感を出していきたいと思います!
(バグ修正分はナシで)
【ウディタ3 Ver3.101~3.134までの改善点】
【新機能】
●【Game.ini】「SelectedText_to_ClipBoard_F2=」の行を追加。
デフォルトは0です。1にしてゲームを起動すると、F2キーを押すことで
「選択中の選択肢」→「なければマウスカーソル上の文字列ピクチャの
文字列(不透明度1以上)」をクリップボードにコピーできます。
→ 翻訳プレイにも便利です。海外勢の方も
ウディタ製ゲーム遊んでくれるといいですね。
●【Config.exe】iniファイルの保存処理をUnicodeに対応。
日本語以外のロケールで起動した場合は自動で英語になる機能を追加。
●【ダウンロード】POST時のContent-Typeを変更できる裏技を追加。
「POST送信」文のどこでも「<<CONTENT>>~~<<CONTENT_END>>」と
入れると送信時のContent-Typeヘッダを~~部分で上書きできます。
【入力例】**<<CONTENT>>application/json<<CONTENT_END>>~ここにPOST内容~**
※デフォルトでは<<CONTENT>>application/x-www-form-urlencoded<<CONTENT_END>>が入っているのと同じ処理が行われています。
※<<CONTENT>>~<<CONTENT_END>>部分は削除されて送信されます。
→ Content-Typeってもっぱらテキストしか使わないものかと思ったら
json形式も送れるようにすることでVoiceVoxさんなどのボイス再生などにも
使えるとのことで搭載しました。
●【プロ版機能】「実行中メインEv強制中断」機能を追加しました。
「決定キー起動や接触起動、自動起動のイベント」など同時に1つしか
実行できない「メイン実行イベント(仮称)」に対して、
並列イベント内から強制的に「イベント処理中断」させることができます。
- 「ウェイト」や「~~完了までウェイト」系は、ウェイトは中断されますが、同時に実行中の
処理自体は続行されます(動作指定、スクロール、ダウンロード機能など)
- 選択肢コマンドや文字列操作コマンドのキーボード入力、キー入力待ちも中断されます。
- ウェイトありのトランジション中や場所移動中はそもそも並列イベントが
進まないので「実行中メインEv強制中断」は実行できません。
→ イベント処理をいつでも打ち切れるので、うまく使えばイベントスキップ機能などに便利です。
【ゲーム部の改善点】
●【ダウンロード】「保存しない」にチェックを入れても「~_tmp」ファイルが
作られていたので、ファイル保存が不要なときはそもそも「~_tmp」ファイルを生成しないよう修正
●【ダウンロード】無料版で「http(s)://localhost」に接続する場合は
連続で接続してもウェイトが増えないよう修正
→ これによって自PCにPOST送信するようなソフトと連携しやすくなります。
●【起動時】起動に失敗したときなどに勝手にグラフィック表示モードが
「ソフトウェアモード」になる現象が起きにくくなるよう修正。
(現在は起動失敗時、手動で設定を変えてくださいというメッセージが出ます)
→ ときどき修正点に入っているのですがなぜかよく直ってない部分です。
●【起動時】ソフトウェアモードで起動したときはタイトルバーに
【ソフトウェアモード】と追加表示されるよう修正。
(プロ版の場合、「ゲームの基本設定[Pro専用]」のタイトルバー表示設定に
と入れるとソフトウェアモード時にその箇所に表示されます)
●【Config.exe】「グラフィック表示モード」の説明文を以下のように変更。
今となっては3Dモードで動かないパソコンの方が珍しいと思います。
<3Dモード>
グラフィックボードを使用して描画。通常はこちらが高速かつ高い描画品質になります。
<ソフトウェアモード>
CPUのみで描画するセーフティモード。動作は安定しますが処理速度は遅く、描画も最低品質です。
●【セーブ・ロード処理】「セーブデータへの書き込み」処理で変数・文字列を書き込んだ際、
従来は1つ書き込むたびにファイル保存し直していたのを、
「そのフレーム中のイベント処理が全部終わった時点」と「緑帯エラーが起きた時点」、
または「ゲーム終了時」にまとめて1回だけファイル保存するように効率化
【エディター部の改善点】
●【ゲームデータ作成】文字種の問題で暗号化に失敗したファイルがあった場合は
メッセージボックスを表示してそのファイルを無視するように修正。
また、「暗号化処理はUnicode化されておらず、日本語と半角英数字の
ファイルしか読み込めません」という注意書きも追加しました。
→ Windowsが「日本語」以外の言語環境だとうまく暗号化できないので
このような記述が追加されました。海外の方にもウディタ使ってくださってるなんて緊張します。
●【データベース設定画面】「挿入」「削除」「貼り付け」ボタンを押した後、
そのボタンになるべくそのままフォーカスが戻るよう修正
→ 「挿入」ボタンや「貼り付け」ボタンをEnterで
連打できるようにしたいという意図です。
●【イベント・データ選択欄】コモンイベントウィンドウ、マップイベントウィンドウ、
データベース画面において、中クリックをドラッグしながら上下スライドで
リストボックスをスクロールさせられるように修正
(Editor.ini内の「ListBox_MClickDrag=1」を「0」にすると機能停止できます)
→ Ver2時点ではリスト内で中クリックして出せていた
「スクロールの丸ボタン」が出なくなってしまったのでこちらを搭載しました。
(出る場合もあるようです)
もしスクロールの丸ボタンも出て邪魔になる場合は「0」にしてください。
これを搭載した理由の80%くらいは、私のマウスのホイールが
だいぶ前からまともに機能しなくなっているからです。
どうしてマウスのホイールってすぐダメになっちゃうんでしょうね……。
といった修正が12月後半から1月中旬現在までの内容でした!
バグ修正だけのつもりがなんだかんだで色々いじってますね。
裏ではライブラリ作者さまにお問い合わせしたり色々ドタバタやっております。
【ウディタ用の支援ページ作りました】
そしてこちらはあんまり大した話ではないのですが、BOOTHにウディタ用のご支援ページを作りました。
【ウディタご支援用 ミニ参考資料集ページ(BOOTH)へ】
以前の生放送でいただいたご要望にお応えしたつもりのもので、
参考資料っぽくしてあります。
今は少ないですがコモンイベントと解説資料が載っています。
いつもご支援くださる方、本当にありがとうございます!
【ウディタのSwitch移植時の処理速度比較!】
私もお手伝いさせていただいた『ドラゴノーカ』というゲームがSwitchで発売されました!
処理負荷の改善などでお付き合いがあった都合上、ある程度は詳しいので、
PC版とSwitch版で処理速度の比較をすることにしてみました。
それがこちらの動画です!
色々語っていますが、ざっくりした結論としては、
『Switch上ではVer3の5~6倍くらいのイベント処理時間がかかりそうなので、
移植を狙うならイベント処理時間を2ms以内におさめるのが安全じゃないでしょうか』
という感じでした。
言い換えると、Ver3のウディタは相対的に処理が速くなっているので、
これまでの感覚で作ってると移植できない可能性が出てくるかもよ、って話ですね。
この辺りのデータは今はほとんどの人には影響ない話かもしれませんが、
Switchに限らず他のプラットフォームに移植する可能性が出た場合に
影響してくるので、意識していきたいところです。
ウディタが落ち着いたらゲーム開発に戻りたいのですが、
直近で遊びたいゲームも出てきそうなので、
この機会に色々最新のゲームも遊びたいなと考えています。
直近だと『ファイアーエムブレム エンゲージ』が注目作!
落ち着くタイミングが少なくて話題作を遊ぶチャンスを何度も逃しているので、
今回くらいはせっかくですから楽しみたいですね。
「よーし今年は『片道勇者2』の開発もやっていくぞー!」
と思っていたら年始のリアルイベントや引き続きウディタのバグ修正が盛りだくさんの状況で、
結局まだまだウディタの修正が作業時間の大半を占めています。

今回はウディタのこれまでの修正内容のうち、前回紹介時から追加修正された
「改善点」っぽい部分だけリストアップしてやってる感を出していきたいと思います!
(バグ修正分はナシで)
【ウディタ3 Ver3.101~3.134までの改善点】
【新機能】
●【Game.ini】「SelectedText_to_ClipBoard_F2=」の行を追加。
デフォルトは0です。1にしてゲームを起動すると、F2キーを押すことで
「選択中の選択肢」→「なければマウスカーソル上の文字列ピクチャの
文字列(不透明度1以上)」をクリップボードにコピーできます。
→ 翻訳プレイにも便利です。海外勢の方も
ウディタ製ゲーム遊んでくれるといいですね。
●【Config.exe】iniファイルの保存処理をUnicodeに対応。
日本語以外のロケールで起動した場合は自動で英語になる機能を追加。
●【ダウンロード】POST時のContent-Typeを変更できる裏技を追加。
「POST送信」文のどこでも「<<CONTENT>>~~<<CONTENT_END>>」と
入れると送信時のContent-Typeヘッダを~~部分で上書きできます。
【入力例】**<<CONTENT>>application/json<<CONTENT_END>>~ここにPOST内容~**
※デフォルトでは<<CONTENT>>application/x-www-form-urlencoded<<CONTENT_END>>が入っているのと同じ処理が行われています。
※<<CONTENT>>~<<CONTENT_END>>部分は削除されて送信されます。
→ Content-Typeってもっぱらテキストしか使わないものかと思ったら
json形式も送れるようにすることでVoiceVoxさんなどのボイス再生などにも
使えるとのことで搭載しました。
●【プロ版機能】「実行中メインEv強制中断」機能を追加しました。
「決定キー起動や接触起動、自動起動のイベント」など同時に1つしか
実行できない「メイン実行イベント(仮称)」に対して、
並列イベント内から強制的に「イベント処理中断」させることができます。
- 「ウェイト」や「~~完了までウェイト」系は、ウェイトは中断されますが、同時に実行中の
処理自体は続行されます(動作指定、スクロール、ダウンロード機能など)
- 選択肢コマンドや文字列操作コマンドのキーボード入力、キー入力待ちも中断されます。
- ウェイトありのトランジション中や場所移動中はそもそも並列イベントが
進まないので「実行中メインEv強制中断」は実行できません。
→ イベント処理をいつでも打ち切れるので、うまく使えばイベントスキップ機能などに便利です。
【ゲーム部の改善点】
●【ダウンロード】「保存しない」にチェックを入れても「~_tmp」ファイルが
作られていたので、ファイル保存が不要なときはそもそも「~_tmp」ファイルを生成しないよう修正
●【ダウンロード】無料版で「http(s)://localhost」に接続する場合は
連続で接続してもウェイトが増えないよう修正
→ これによって自PCにPOST送信するようなソフトと連携しやすくなります。
●【起動時】起動に失敗したときなどに勝手にグラフィック表示モードが
「ソフトウェアモード」になる現象が起きにくくなるよう修正。
(現在は起動失敗時、手動で設定を変えてくださいというメッセージが出ます)
→ ときどき修正点に入っているのですがなぜかよく直ってない部分です。
●【起動時】ソフトウェアモードで起動したときはタイトルバーに
【ソフトウェアモード】と追加表示されるよう修正。
(プロ版の場合、「ゲームの基本設定[Pro専用]」のタイトルバー表示設定に
●【Config.exe】「グラフィック表示モード」の説明文を以下のように変更。
今となっては3Dモードで動かないパソコンの方が珍しいと思います。
<3Dモード>
グラフィックボードを使用して描画。通常はこちらが高速かつ高い描画品質になります。
<ソフトウェアモード>
CPUのみで描画するセーフティモード。動作は安定しますが処理速度は遅く、描画も最低品質です。
●【セーブ・ロード処理】「セーブデータへの書き込み」処理で変数・文字列を書き込んだ際、
従来は1つ書き込むたびにファイル保存し直していたのを、
「そのフレーム中のイベント処理が全部終わった時点」と「緑帯エラーが起きた時点」、
または「ゲーム終了時」にまとめて1回だけファイル保存するように効率化
【エディター部の改善点】
●【ゲームデータ作成】文字種の問題で暗号化に失敗したファイルがあった場合は
メッセージボックスを表示してそのファイルを無視するように修正。
また、「暗号化処理はUnicode化されておらず、日本語と半角英数字の
ファイルしか読み込めません」という注意書きも追加しました。
→ Windowsが「日本語」以外の言語環境だとうまく暗号化できないので
このような記述が追加されました。海外の方にもウディタ使ってくださってるなんて緊張します。
●【データベース設定画面】「挿入」「削除」「貼り付け」ボタンを押した後、
そのボタンになるべくそのままフォーカスが戻るよう修正
→ 「挿入」ボタンや「貼り付け」ボタンをEnterで
連打できるようにしたいという意図です。
●【イベント・データ選択欄】コモンイベントウィンドウ、マップイベントウィンドウ、
データベース画面において、中クリックをドラッグしながら上下スライドで
リストボックスをスクロールさせられるように修正
(Editor.ini内の「ListBox_MClickDrag=1」を「0」にすると機能停止できます)
→ Ver2時点ではリスト内で中クリックして出せていた
「スクロールの丸ボタン」が出なくなってしまったのでこちらを搭載しました。
(出る場合もあるようです)
もしスクロールの丸ボタンも出て邪魔になる場合は「0」にしてください。
これを搭載した理由の80%くらいは、私のマウスのホイールが
だいぶ前からまともに機能しなくなっているからです。
どうしてマウスのホイールってすぐダメになっちゃうんでしょうね……。
といった修正が12月後半から1月中旬現在までの内容でした!
バグ修正だけのつもりがなんだかんだで色々いじってますね。
裏ではライブラリ作者さまにお問い合わせしたり色々ドタバタやっております。
【ウディタ用の支援ページ作りました】
そしてこちらはあんまり大した話ではないのですが、BOOTHにウディタ用のご支援ページを作りました。
【ウディタご支援用 ミニ参考資料集ページ(BOOTH)へ】
以前の生放送でいただいたご要望にお応えしたつもりのもので、
参考資料っぽくしてあります。
今は少ないですがコモンイベントと解説資料が載っています。
いつもご支援くださる方、本当にありがとうございます!
【ウディタのSwitch移植時の処理速度比較!】
私もお手伝いさせていただいた『ドラゴノーカ』というゲームがSwitchで発売されました!
処理負荷の改善などでお付き合いがあった都合上、ある程度は詳しいので、
PC版とSwitch版で処理速度の比較をすることにしてみました。
それがこちらの動画です!
色々語っていますが、ざっくりした結論としては、
『Switch上ではVer3の5~6倍くらいのイベント処理時間がかかりそうなので、
移植を狙うならイベント処理時間を2ms以内におさめるのが安全じゃないでしょうか』
という感じでした。
言い換えると、Ver3のウディタは相対的に処理が速くなっているので、
これまでの感覚で作ってると移植できない可能性が出てくるかもよ、って話ですね。
この辺りのデータは今はほとんどの人には影響ない話かもしれませんが、
Switchに限らず他のプラットフォームに移植する可能性が出た場合に
影響してくるので、意識していきたいところです。
ウディタが落ち着いたらゲーム開発に戻りたいのですが、
直近で遊びたいゲームも出てきそうなので、
この機会に色々最新のゲームも遊びたいなと考えています。
直近だと『ファイアーエムブレム エンゲージ』が注目作!
落ち着くタイミングが少なくて話題作を遊ぶチャンスを何度も逃しているので、
今回くらいはせっかくですから楽しみたいですね。
■ 2023/01/01 (日) 2023年あけまして! ■
【2023年あけまして!】
おかげさまで無事、2023年をむかえることができました!
あけましておめでとうございます!
今年の干支は「卯」なのでオリジナルうさ耳むすめ!

後ろにはうちの作品には珍しいウサギキャラ、『モノリスフィア』よりラビ!
【生放送しました!】
去年末のコンテンツですがお正月おヒマな人向け! 2時間くらい!
去年12/24に、24周年記念として2022年を振り返った放送をしました。
私の生声が出ますので気になる方はご注意を!
24周年放送 Youtube配信ページ
引き続き健康に気を付けて、2023年もゲーム開発を最大限進めていきたいと思います!
今年も1年、よろしくお願いいたします!
おかげさまで無事、2023年をむかえることができました!
あけましておめでとうございます!
今年の干支は「卯」なのでオリジナルうさ耳むすめ!

後ろにはうちの作品には珍しいウサギキャラ、『モノリスフィア』よりラビ!
【生放送しました!】
去年末のコンテンツですがお正月おヒマな人向け! 2時間くらい!
去年12/24に、24周年記念として2022年を振り返った放送をしました。
私の生声が出ますので気になる方はご注意を!
24周年放送 Youtube配信ページ
引き続き健康に気を付けて、2023年もゲーム開発を最大限進めていきたいと思います!
今年も1年、よろしくお願いいたします!
追記では24周年記念放送で出た新情報ざっくり振り返り!
Twitterなどでたぶんまだ語られていない情報をまとめてみました。
<24周年記念放送で出た新情報>
【ウディタ3のタイガちゃんっぽい2022年の年賀絵キャラ】

実は2021年の年賀絵が、ウディタ3に新規追加されたキャラ、
「タイガちゃん」風のトラっ子でした。
といってもこの絵は想定よりちょっとお姉さま風になってるので、
「あと10年若くしたら想像通りのタイガちゃんなのだと思います」と言っていました。
【最近のポケモンはもう経験値稼ぎでザコ戦作業しなくていい話】
年始あたりに『ポケモンレジェンズ アルセウス』を
遊ばせていただいたのですが、本作はフィールド上でボール投げて
ポケモン捕まえるだけで経験値が稼げるので、
ほぼザコ戦しなくていいというのは革新的でした。
そしてその仕様に対して、私は
「もう他のRPGでもザコ戦せずに済むのをスタンダードにしてほしいなあ」
と動画内で言っていました。
といっても、新たな敵と1回ずつくらいは戦闘するのは許容する立場で、
「稼ぎ作業に入ったときに何らかの形で超早送りできるオプションが欲しいね」
くらいの主張です。
いつものポケモンで言うなら、捕獲するときくらいは戦闘シーンを許容しますが、
倒すだけや素材集めだけなら一瞬で終わらせたい!
(新作のポケモンSVはたぶんほぼそういう仕様)
【実はウディタの翻訳ツール作ってたけどリリースしてない】
実は翻訳ツールを作っていたんですがリリースはできませんでした。
というのも、Ver2のウディタでは中国語に翻訳しても
「エディタで文字化けして編集できない」という致命的な問題があったからです!
Ver3ならエディタがUnicode化されてるのでチャンスができたわけですが、
翻訳ツールはまだフルSJIS用なので、この翻訳ツールを出すにしても
今から全部Unicodeに書き替えなければならないという
地獄の作業が発生します。ぎえええ!
あと「翻訳ツールはそのうち海外展開する人向けに
お高めの値段で販売されるかもしれません」と話していました。
海外展開する人は非常に少ないのと、稼げる人が多いという理由です。
【ウディコン乗り越えられる人ならお商売もできますよ】
ウディコンを経て有料販売に移った方、実は過去にも結構いらっしゃいます。
そして、ウディコン中には(質によっては)たくさんのサポート対応や、
作品に対して色々言われてしまう苦労を経験できるので、
「ウディコンに耐えられる人ならお商売だって十分できますよ!」という話をしていました。
これは本当にそう思っているので、上位を取れるほどの人は、
よければぜひお商売にも挑戦してください、と思っていたりします。
売れるかどうかは運ですが、それ以外で発生しうるショックは
想定の範囲内や経験済みであることが多いと思います。
【ウディタのUTF-8文字列判定はAI Programmerさんに作ってもらった】
実はウディタ内に実装されている
「その文章のデータがUTF-8文字列かどうかを判定する関数」は
対話型AIの『AI Programmer』さんに作ってもらっていました。
全然何も分からない状態から「AIに作ってもらったコード」を見て
UTF-8の仕様や値について学ぶことができたので、とても助かりました。
何もない状態から学んで作っていたら、UTF文字コードの概念を理解するまで
もっと長い時間がかかったり、誤解をしていたかもしれません。
このほかにも質問に何でも答えてくれる(正しく答えてくれるとは限らない)
対話型AIのChatGPTなども出ていましたが、対話側AIは将来的に
生活に食い込んでくるかもしれないので、
今からうまく使えるようになりたいなと感じています。
対話型AIは創作家としても単純に発想力を広げる助けになりますし、
今のスマートフォンほどではないにしても生活をよくする助けになってくるかもしれません。
SFなどでよく出てきますが、これまで食べたものの栄養バランス計算と、
今日食べるべきものを教えてくれるサポート機能が付いたら最高ですね!
(手動だと面倒臭くて……)
【私の絵柄を学習させたAIで画像生成したら
ウリユがひどい目にあう流れになった】
私の絵柄を学習させたAIを使って『カジノで遊んでいるウリユ(白紫髪の少女)』で
画像生成してみたらひどい流れになりました、という紹介をしていました。
【1枚目】
予知能力を持っている少女、ウリユはある日、カジノにやってきてしまいました。
もうこの時点でまずいことになりそうな気配しかしませんが、
皆さんはここからどんな展開を予想しますか?

【2枚目】
ウリユはその能力を使って連戦連勝!
ゲームにうといウリユは、ついつい全力で荒稼ぎしてしまいます。

【3枚目】
そんなウリユのやんちゃに、とうとうカジノの支配人が気付いてしまいます。
支配人もまた不思議な力の持ち主だったのですが、
ウリユは支配人の能力で……なんとカジノのチップにされてしまったのです!

これはさすがに予知しきれなかったウリユ。
彼女はすり切れて使えなくなるまでカジノのチップとしての
余生を過ごすはめになりましたとさ、めでたしめでたし……。
もしかしたら「ゴンベエお兄さん」が助けにきてくれるかも……?
以上! 「少女カジノチップ化」とはマニアックですねみたいなことを
言ってた気もしますが、
「同じ指示で出しても1枚目と2枚目(と3枚目)のように描き方が
違うのがでてしまうので、私の絵を学習させても厳密なフォーマットで
作られるゲームの立ち絵などに使うにはちょっとしんどいですね」
という紹介が個人的に主でした。
こんな風に、まだそのまま実用化できるほどではないものの、
今後AI画像生成もうまいこと自分の能力拡張に使っていきたいと考えています
(誰の画風か分からないキャラ絵を使うのは怖いので
その辺りには気をつけながらですけれども!)
ゲーム開発は激しく寿命を消費するので、
効率が上がりそうな技術は上手に取り入れていきたいですね。
と、24周年記念放送で出た新たな話題はたぶんこんな感じでした!
来年も元気なら1年の振り返り放送をしたいと思いますが、
振り返れる内容ができるくらいには日々の実績を残していきたいと思います!
そんなわけで今年も1年、よろしくお願いいたします!
Twitterなどでたぶんまだ語られていない情報をまとめてみました。
<24周年記念放送で出た新情報>
【ウディタ3のタイガちゃんっぽい2022年の年賀絵キャラ】

実は2021年の年賀絵が、ウディタ3に新規追加されたキャラ、
「タイガちゃん」風のトラっ子でした。
といってもこの絵は想定よりちょっとお姉さま風になってるので、
「あと10年若くしたら想像通りのタイガちゃんなのだと思います」と言っていました。
【最近のポケモンはもう経験値稼ぎでザコ戦作業しなくていい話】
年始あたりに『ポケモンレジェンズ アルセウス』を
遊ばせていただいたのですが、本作はフィールド上でボール投げて
ポケモン捕まえるだけで経験値が稼げるので、
ほぼザコ戦しなくていいというのは革新的でした。
そしてその仕様に対して、私は
「もう他のRPGでもザコ戦せずに済むのをスタンダードにしてほしいなあ」
と動画内で言っていました。
といっても、新たな敵と1回ずつくらいは戦闘するのは許容する立場で、
「稼ぎ作業に入ったときに何らかの形で超早送りできるオプションが欲しいね」
くらいの主張です。
いつものポケモンで言うなら、捕獲するときくらいは戦闘シーンを許容しますが、
倒すだけや素材集めだけなら一瞬で終わらせたい!
(新作のポケモンSVはたぶんほぼそういう仕様)
【実はウディタの翻訳ツール作ってたけどリリースしてない】
実は翻訳ツールを作っていたんですがリリースはできませんでした。
というのも、Ver2のウディタでは中国語に翻訳しても
「エディタで文字化けして編集できない」という致命的な問題があったからです!
Ver3ならエディタがUnicode化されてるのでチャンスができたわけですが、
翻訳ツールはまだフルSJIS用なので、この翻訳ツールを出すにしても
今から全部Unicodeに書き替えなければならないという
地獄の作業が発生します。ぎえええ!
あと「翻訳ツールはそのうち海外展開する人向けに
お高めの値段で販売されるかもしれません」と話していました。
海外展開する人は非常に少ないのと、稼げる人が多いという理由です。
【ウディコン乗り越えられる人ならお商売もできますよ】
ウディコンを経て有料販売に移った方、実は過去にも結構いらっしゃいます。
そして、ウディコン中には(質によっては)たくさんのサポート対応や、
作品に対して色々言われてしまう苦労を経験できるので、
「ウディコンに耐えられる人ならお商売だって十分できますよ!」という話をしていました。
これは本当にそう思っているので、上位を取れるほどの人は、
よければぜひお商売にも挑戦してください、と思っていたりします。
売れるかどうかは運ですが、それ以外で発生しうるショックは
想定の範囲内や経験済みであることが多いと思います。
【ウディタのUTF-8文字列判定はAI Programmerさんに作ってもらった】
実はウディタ内に実装されている
「その文章のデータがUTF-8文字列かどうかを判定する関数」は
対話型AIの『AI Programmer』さんに作ってもらっていました。
全然何も分からない状態から「AIに作ってもらったコード」を見て
UTF-8の仕様や値について学ぶことができたので、とても助かりました。
何もない状態から学んで作っていたら、UTF文字コードの概念を理解するまで
もっと長い時間がかかったり、誤解をしていたかもしれません。
このほかにも質問に何でも答えてくれる(正しく答えてくれるとは限らない)
対話型AIのChatGPTなども出ていましたが、対話側AIは将来的に
生活に食い込んでくるかもしれないので、
今からうまく使えるようになりたいなと感じています。
対話型AIは創作家としても単純に発想力を広げる助けになりますし、
今のスマートフォンほどではないにしても生活をよくする助けになってくるかもしれません。
SFなどでよく出てきますが、これまで食べたものの栄養バランス計算と、
今日食べるべきものを教えてくれるサポート機能が付いたら最高ですね!
(手動だと面倒臭くて……)
【私の絵柄を学習させたAIで画像生成したら
ウリユがひどい目にあう流れになった】
私の絵柄を学習させたAIを使って『カジノで遊んでいるウリユ(白紫髪の少女)』で
画像生成してみたらひどい流れになりました、という紹介をしていました。
【1枚目】
予知能力を持っている少女、ウリユはある日、カジノにやってきてしまいました。
もうこの時点でまずいことになりそうな気配しかしませんが、
皆さんはここからどんな展開を予想しますか?

【2枚目】
ウリユはその能力を使って連戦連勝!
ゲームにうといウリユは、ついつい全力で荒稼ぎしてしまいます。

【3枚目】
そんなウリユのやんちゃに、とうとうカジノの支配人が気付いてしまいます。
支配人もまた不思議な力の持ち主だったのですが、
ウリユは支配人の能力で……なんとカジノのチップにされてしまったのです!

これはさすがに予知しきれなかったウリユ。
彼女はすり切れて使えなくなるまでカジノのチップとしての
余生を過ごすはめになりましたとさ、めでたしめでたし……。
もしかしたら「ゴンベエお兄さん」が助けにきてくれるかも……?
以上! 「少女カジノチップ化」とはマニアックですねみたいなことを
言ってた気もしますが、
「同じ指示で出しても1枚目と2枚目(と3枚目)のように描き方が
違うのがでてしまうので、私の絵を学習させても厳密なフォーマットで
作られるゲームの立ち絵などに使うにはちょっとしんどいですね」
という紹介が個人的に主でした。
こんな風に、まだそのまま実用化できるほどではないものの、
今後AI画像生成もうまいこと自分の能力拡張に使っていきたいと考えています
(誰の画風か分からないキャラ絵を使うのは怖いので
その辺りには気をつけながらですけれども!)
ゲーム開発は激しく寿命を消費するので、
効率が上がりそうな技術は上手に取り入れていきたいですね。
と、24周年記念放送で出た新たな話題はたぶんこんな感じでした!
来年も元気なら1年の振り返り放送をしたいと思いますが、
振り返れる内容ができるくらいには日々の実績を残していきたいと思います!
そんなわけで今年も1年、よろしくお願いいたします!
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